「イノベーションプラットフォームに育て上げる」――SOLIDWORKSの将来展望:SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2015(1/2 ページ)
ソリッドワークス・ジャパンは、年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2015」の開催に併せ、「SOLIDWORKS」ブランドの最高経営責任者であるジャン・パオロ・バッシ氏を迎え、記者説明会を開催。SOLIDWORKSの近況と今後の展望について語った。
ソリッドワークス・ジャパンは2015年11月10日、年次ユーザーイベント「SOLIDWORKS WORLD JAPAN 2015」の開催に併せ、「SOLIDWORKS」ブランドの最高経営責任者(CEO)であるジャン・パオロ・バッシ(Gian Paolo Bassi)氏を迎え、記者説明会を開催した。
SOLIDWORKSはエコシステムとして大きく成長
同年1月に同職に就任したバッシ氏は冒頭、SOLIDWORKSの近況について説明。現在、多くの企業や教育機関などでSOLIDWORKSが幅広く活用されており、単なる製品・サービスという枠組みを超え、モノづくりにかかわる人々を含めた大きなエコシステムへと成長を遂げ、「SOLIDWORKSが設計業務のあらゆる面において、業界標準になりつつある。周りを見渡せば、SOLIDWORKSで設計された製品であふれている」(バッシ氏)と強調した(関連記事:「SOLIDWORKS」ブランド新CEOにジャン・パオロ・バッシ氏が就任)。
ここまで大きく成長することができた要因として、バッシ氏はダッソー・システムズの一員として、グループが保有する幅広い技術・知見・スキルにアクセスできることの優位性をアピール。「そこで得られた技術や知見を、SOLIDWORKSの製品開発の中で生かすことにより、迅速に顧客が求めている価値を届けることができる」(バッシ氏)という。
また、SOLIDWORKSのミッションとして、最初の製品をリリースした20年前から変わらない「卓越したモノづくり、卓越したデザインを実現する」という信念を挙げる。バッシ氏は「SOLIDWORKS製品が売れたら終わりではなく、実際にSOLIDWORKSがユーザーの製品開発の現場で活用され、そのビジネスが成功につながったときに初めてわれわれのミッションは完了するものだと考えている。ユーザーの成功を確実なものにすることが最も重要なことである」と述べる。
イノベーションプラットフォームの構築に向けて
そして、バッシ氏はSOLIDWORKSを「クリエイティブなプロセスに役立つ『イノベーションプラットフォーム』に育て上げていく」とし、直近から中長期それぞれに対し、適切に投資を行っていくとしている。イノベーションプラットフォームの実現において重要なのは、得られた情報やデータを知見に変換できるような環境を作り上げることだという。そのために、「1つのアイデアを評価・議論し、そこに別のアイデアを絡ませながら洗練させていく、そのような交流・コラボレーションが生み出せる場を作り上げていく必要がある」(バッシ氏)。
SOLIDWORKSをイノベーションプラットフォームに発展させていくという考えの下、同社は継続的に新しい製品・サービスをユーザーに提供しているという。
SOLIDWORKS Visualize
幾つかの製品・サービスの中から今回バッシ氏が紹介したのは、ハイエンドレンダリングツール「SOLIDWORKS Visualize」(日本での提供は2016年1〜3月ごろを予定)だ。同製品について、バッシ氏は「現実なのかデジタルなのか分からないほどレンダリングが美しく、マーケティングやデジタルセールスといった分野で活躍が期待される製品。製品が完成する前から、テストマーケティングを行うことも可能だ。こうしたツールを活用することで、企業経営の中で重要性が増しているマーケティングのイノベーションを起こせるのではないか」と語る。
SOLIDWORKS Industrial Designer
もう1つ紹介したのが同年2月に発表された構想設計支援ツール「SOLIDWORKS Industrial Designer」だ。同製品は、電子ペンを活用してスケッチを描き、その上から粘土を触るような感覚でフリーフォームボディを作成していくことで、複雑な形状を簡単に作り上げることができるツール。「こうしてできたアイデアや形状を第三者と共有し、コラボレーションしながらアイデアをよりブラッシュアップできる仕組みも組み込まれている」(バッシ氏)。
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