使いやすさを追求した「SOLIDWORKS 2016」、国内ユーザー注目機能は?:CADニュース(1/2 ページ)
ソリッドワークス・ジャパンは、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の最新バージョンである「SOLIDWORKS 2016」の国内販売を2015年11月2日より開始すると発表した。
ソリッドワークス・ジャパンは2015年10月1日に記者説明会を開催し、3次元設計ソリューション「SOLIDWORKS」の最新バージョンである「SOLIDWORKS 2016」の国内販売を同年11月2日より開始すると発表した。
1995年に最初のバージョンが公開されたSOLIDWORKSは、今回のリリースで20周年を迎える。最新バージョンとなるSOLIDWORKS 2016ではユーザーからの要望に応え、「280以上の機能強化が図られている」(同社)という。
SOLIDWORKSは最新版にバージョンアップすることで、前バージョンの上位パッケージ向けに提供されていた一部機能を下位パッケージで利用できるようになる。例えば、「SOLIDWORKS 2015」の最上位パッケージ(Premium)で提供されていた公差解析や3次元測定変換などの機能が、SOLIDWORKS 2016 Professionalで利用可能となる。「SOLIDWORKSユーザーであれば、バージョンアップするだけで業務適用範囲を拡大することができる」(同社)。
日本のユーザーが高く評価した4つのポイント
記者説明会では、SOLIDWORKS 2016に盛り込まれた280以上の機能強化の中で、製品β版の事前評価イベントに参加した日本のユーザーから特に好評だった機能を「設計」「検証」「協働」「製造」の4つのテーマに分けて紹介した。
設計:“使いやすさ”をさらに追求、高解像度ディスプレイにも対応
まず、CAD設計者が最も重要視する“使いやすさ”を配慮し、SOLIDWORKS 2016ではユーザーインタフェース(以下、UI)を刷新。次に使うコマンドを予測してマウス付近に表示したり、アセンブリからフィーチャーまでを効率的にたどることができる「選択階層リンク」を表示したりすることで、マウス操作によるメニュー選択などの効率化が大幅に図られている。「マウスの移動量が劇的に削減される。実際に計測してみたところ、作業効率が約2倍に向上したケースもあった」(同社)。ちなみに、選択階層リンクは、仏ダッソー・システムズが展開する「3DEXPERIENCE platform」のアプリケーションに搭載されている機能で、ユーザーの評判が良かったため、SOLIDWORKS 2016にも取り入れたのだという。
また、SOLIDWORKS 2016では、設計現場で導入が進んでいる4K/5Kディスプレイもサポート。高解像度表示を生かし、アセンブリツリーの全体を俯瞰したり、部品やアセンブリを全て並べて設計を進めたり、部品の検索結果を1画面に収めて閲覧したり、解析結果の詳細を確認したりすることができる。他にも、画面の高解像度化に併せ、メニューやアイコンを選択しやすいサイズに最適化してくれる機能も新たに備える。
検証:設計と解析がよりシームレスに! 解析機能の強化も
検証(解析)においても、使いやすさ、効率化が強化ポイントとして挙げられる。「SOLIDWORKSブランドの中で、ユーザーに解析ソフトウェアを提供する際、最も重要視しているのが、設計者に使いやすいと感じてもらえることだ」(同社)という。
CAD画面上から解析ソフトウェアを起動して解析を実行し、得られた解析結果からすぐにCADに戻って設計変更が行える。「同じ画面上で設計と解析をシームレスに切り替えて使うことができる。設計者の使い勝手を考える上で非常に重要なポイントといえる」(同社)。
また、SOLIDWORKS 2016では、解析機能そのものも強化されており、接触問題に対する直接法ソルバの改良や、「SOLIDWORKS Plastics」のマルチコアサポートにより解析時間の大幅な短縮を実現しているという。その他にも、SOLIDWORKS PlasticsのUI改良、「SOLIDWORKS Flow Simulation」との連携強化なども図られている。
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