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海外で開発進む自動運転技術、米国では実験用の“仮想の街”も登場自動運転技術(1/3 ページ)

自動運転システムの開発を目指す「SIP-adus」は、第5回目となるメディアミーティングを開き、自動運転の国際動向について解説した。米国には実験用の施設が登場、いよいよ国際的に自動運転技術に関する「基準」を策定するフェーズに入っている。

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 日本の経済・産業競争力において重要な事項を10のプログラムに分け、府省横断型の体制で取り組みを続ける「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」。その中で「自動走行(自動運転)システム」を主導する「SIP-adus」は2015年9月17日、東京都内でメディアミーティングを開き、自動運転に関する米国、EU(欧州連合)の動向について解説した。

登壇したSIP-adus 国際連携WG(Working Group)主査でITS Japan 専務理事の天野肇氏
登壇したSIP-adus 国際連携WG(Working Group)主査でITS Japan 専務理事の天野肇氏

クルマに無線装置の搭載を義務付ける――米国

 米国の道路交通の課題は大きく分けて3つ。交通事故、渋滞、環境問題だ。特に、11〜27歳の死因のトップが交通事故であることから、大きな社会問題となっている。これらを解決すべく、自動運転技術の研究開発を推進しているのが米国連邦運輸省(U.S.DOT)だ。

 U.S.DOTは現在、ITS(高度道路情報システム)の整備に関する5カ年計画として「ITS Strategic Plan」を発表している。「米国は日本と比べて、インフラとしてのITSの整備が日本ほど進んでおらず、まだ準備段階」と天野氏は語る。「しかし、自動車やインフラが通信し合って協調する仕組みの実用化に向け取り組みを進めようとしている」(同氏)という。

U.S.DOTの「ITS Strattegic Plan」。2015年から2019年まで、5カ年にわたる計画だ
U.S.DOTの「ITS Strattegic Plan」。2015年から2019年まで、5カ年にわたる計画だ(クリックで拡大) 出典:SIP-adus

 また、U.S.DOTS内で安全に対する取り組みを行う道路交通安全局(NHTSA:National Highway Traffic Safety Administration)は、「クルマに通信機器搭載義務化を加速させる」と発表。これは、米国における道路予算に相当する長期陸上交通予算の確保が難しい為、日本のように道路インフラを拡充するのではなく、各車両に通信機器を搭載することで安全対策を行おうという背景のもと進められている。それらに伴うサイバーセキュリティ対策にも取り組んでいるという。

自動運転研究施設「M City」が開所

 天野氏は、米国自動運転技術に関するトピックとして、自動運転システムの実証実験施設「Mobility Transformation Center(M City)」の開所についても説明した。M Cityは、ミシガン大学とU.S.DOTなどが共同で建設した映画のセットのような施設で、さまざまな形状の道路や、標識、歩行者、障害物などが用意されている。手続きを踏まえれば誰でも使用できる、ミシガン州一丸となって建設された施設だ。

「M City」の実験設備「M City」の様子 「M City」の実験設備(左)、「M City」の様子(右)(クリックで拡大) 出典:SIP-adus
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