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配車サービスにとどまらないUberの野望子猫のレンタルもやってます(1/3 ページ)

2014年3月に日本市場への参入を果たした配車サービスのUber。同社は、配車サービス以外の取り組みも積極的に展開しており、集荷、ランチ配達、引っ越し、果ては子猫のレンタルなども行っている。自動運転技術の開発にも乗り出すなど存在感は日増しに大きくなっているが、Uberの狙いはどこにあるのだろうか。

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「破壊者」「変革者」の異名を持つUber

 2009年6月1日、米国でスマートフォンを用いた配車サービスを開始したUber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ、以下Uber)。それから約6年後の2015年6月1日時点で、2014年3月にサービスインした日本を含め、Uberが展開する国は世界で約58カ国/311都市と急成長している。従業員数3000人以上、ドライバー数100万人以上、企業価値約5兆円のマンモス企業だ。

 Uberは、スマートフォンのアプリから地図をタップするだけで、GPSを活用して利用者の現在地まで迎車手配することができるサービス。黒塗り高級車や個人のマイカー、SV車などを利用して配車サービスを展開する他、タクシー会社と提携するケースもあるなどサービス形態はさまざま。各国の諸条件や各都市の特性に合わせて最も適した方法で参入している。

Uberの配車サービスアプリの画面例
Uberの配車サービスアプリの画面例。筆者がサンノゼからサンフランシスコ国際空港まで移動するのに利用した。31マイルの移動に掛かった金額は約59米ドル

 日本では、東京都内でハイヤーやタクシー会社との提携により事業展開しており、世界初の高級タクシーサービス「Uber TAXI UX」を2014年8月から開始している。

 Uberが急成長した理由は何だろうか。Uberの成功要因の1つは、ユーザーエクスペリエンスの提供で、これまでの「タクシー」という概念を完全に覆したことにある。

 前述の通り、Uberはスマートフォンアプリのボタンをタップするだけで移動のためのクルマを手配できる。エリアによっては、迎車手配してから到着まで2〜3分程度だという。Uberアプリ上では、向かってくるクルマの位置、おおよその到着時間、車種、ドライバーの名前、目的地までの料金目安などの情報を事前に知ることができるため、利用者は安心感をおぼえる。

 走行ルートは全て記録されており、万が一、ドライバーが意図的に遠回りなどした場合は利用者に返金される仕組みになっているなど保証も完璧だ。料金は、アプリインストール時に登録済みのクレジットカードから自動引落しされるため、現金を支払う必要もなければチップに頭を悩ます必要もない。

 利用後は、利用者がサービスをレーティング(評価)できる仕組みとなっている。つまり、レーティングがドライバーに影響を与えるため、ドライバーの態度は自然とよくなりサービスの向上につながる。あらゆる面においてタクシーよりも評価が高いため、米国ではUberは既に「当たり前」のサービスと化している。そして新たな取り組みとして、2015年1月末からタクシードライバーによる乗客の評価制度も取り入れた。既に素行の悪い乗客はUberを利用できなくなっているなど、ドライバーと乗客の双方がサービスの向上に寄与していることになる。

 しかし全てが順風満帆なわけでもない。「タクシー」ではないため、既存のタクシー業界に課せられてきた種々の条件や規制の対象外となることから、タクシー業界を中心に批判が高まっており、世界のあちらこちらで営業停止や訴訟に発展している。また、各国で類似サービスが多数展開されており、ライバルも多い。それでもUberは独自の路線を貫き、ITをフル活用しながら事業を拡大させている。

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