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ベアメタルで高速I/Oに挑戦、LPC1114の実力に迫る「mbed」で始めるARMマイコン開発入門(12)(4/4 ページ)

mbedでベアメタルプログラミングを行うメリットは、バイナリサイズの縮小だけではなく、直接制御によって高速なI/Oを実現可能です。Lチカを例に、ベアメタルプログラミングによる高速I/O制御を試します。

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おわりに

 今回はGPIOの高速制御の限界に挑戦しました。ベアメタル的手法を使えば48MHzのクロックでも6.87MHzでI/Oを制御することができました。C言語で普通に書いても7サイクルでした。アセンブラで書いても恐らく、7クロックより速くすることはできないでしょう。これはmbedのコンパイラがとても優秀だということかもしれませんね。

 1980年代に私が外資系のコンピュータメーカーに務めていた頃、COCOM(対共産圏輸出統制委員会)規制というものがあり、社員はその教育プログラムを受けることが義務化されていました。

 その資料にCOCOM規制の対象になるコンピュータのスペックが記されていました。それを見るとCPUの処理速度だけでなくI/Oの転送速度が速いコンピュータも対象でした。軍事転用された場合のポテンシャルが高いためです。当時、LPC1114が存在していたら間違いなくCOCOM規制対象物資だったことでしょう。LPC1114が(時代の差こそあれ)そのくらいのポテンシャルを秘めたマイコンであることを認識して頂ければ幸いです。

 「mbedで始めるARMマイコン開発入門」ということで12回連載してきましたが、掲載は今回が最後になります。ここまでこのテーマで続けてこられたのもひとえに読者の皆さんのおかげだと思っております。LPC1114の周辺デバイスを網羅するということで始めた企画ですので、I2CやSPIについても触れたかったところではありますが、記事に対するご要望やご意見がありましたらMonoist編集までお寄せ下さい。

 今後とも組み込みや電子工作に関わる記事や書籍に関わっていきたいと思っています。また各地で講演やワークショップなども行っています。それらの情報はTwitterの@imaocaまたはFacebookで発信していますので、フォローして頂ければと思っています。今後ともよろしくお願い致します。

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