自分で自分の食い扶持を稼ぐロボット「MEEBO」:サービスロボット普及なるか
ユニファが提供を開始する園児見守りロボット「MEEBO」は、幼稚園保育園の人手不足解消はもちろん、月のランニングコストを自分で稼ぐ可能性を秘めており、サービスロボット普及の1例となるか注目される。
ユニファが提供を開始した園児見守りロボット「MEEBO」(みーぼ)は、保育園あるいは幼稚園などで、日中の様子を記録する写真撮影機能、園児の検温や地震速報の通知、絵本の読み聞かせなどを行うサービスロボットだ。
同社では2018年末までに1万台の販売(月額9800円のリース販売)を目指すが、その自信の源は“自分で自分のコストをまかなう”仕掛けだ。
同社は保育園や幼稚園、習い事教室で撮影された写真をネット経由で確認、注文できるサービス「るくみー」を提供しており、このるくみーの撮影端末としての機能をMEEBOに持たせるのが“仕掛け”のキモ。MEEBOの利用料金は月額9800円だが、MEEBOの撮影した写真を保護者に販売し、その収益の一部を設置する保育園/幼稚園へ還元する仕組みを用意する。
園児数や設定単価にもよるが、仮に100人の園児が在席する保育園にMEEBOを設置、写真単価を1枚100円として保護者が1カ月に10枚買えばユニファの売り上げは10万円となり、2割のマージンを設置保育園に払う契約であれば、保育園には2万円が売り上げとして計上され、MEEBOのレンタル料(月額9800円)をペイできる。
保育園などの運営側からすれば、MEEBOの導入は保育士が行っていた園内の撮影、印刷、選別、保護者への販売という業務を自動化することになり、作業負荷の軽減につながる。また、MEEBOにはサーモグラフィを用いた検温機能やニュース(地震速報や不審者情報)配信機能、絵本の読み聞かせなどの機能が追加される予定となっており、「保育士不足の一助になれば」とユニファ代表取締役社長の土岐泰之氏は期待を寄せる。
MEEBOはヴイストンのコミュニケーションロボット「Sota」をベースとしており、小さな子どもが多くいる環境で使われることに配慮し、低トルクモータの採用やトルクリミッタの搭載、誤飲可能性の排除などが行われている他、リース提供とすることで不意の故障などについても交換によって対応する予定だ。
同社では初回ロット分について3カ月の無料レンタルを実施する他(2015年9月末まで)、保育園/幼稚園などを対象としたデモ(体験会)も実施、園における労働力不足の解消と、写真を軸にした家庭内コミュニケーションの充実を図りたいとしてる。
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