AUTOSARとは?/What is AUTOSAR?−2015年版−(後編):AUTOSAR〜はじめの一歩、そしてその未来(2)(4/4 ページ)
「AUTOSARとは?」という問いにはさまざまな切り口での答えがある。今回は、前回に引き続き、「AUTOSARとは?/What is AUTOSAR?−2015年版−」の後編として、AUTOSARの標準化の対象である「(Software)Architecture」「Methodology」「Application Interface」の3項目の観点から説明する。
「AUTOSARとは?−2015年版−」のまとめ
1回当たり4000文字程度を目安に連載を引き受けたのだが、最初の「おさらい」だけでその倍を費やしてしまった。しかし、これはまだまだごく浅い概要レベルであり、これを起点にご自身で深掘りしていく必要があるということをここで強調したい。大量の情報と向き合う上では、避けられない事実である。当初は、「AUTOSAR導入の概要〜はじめてのAUTOSAR/Introduction to AUTOSAR−2015年版−」というセクションを入れるつもりだったが、こちらについては次回の第3回まで少々お待ちいただきたい。
なお、私事で恐縮だが、仕事帰りによくお邪魔する飲食店で時々、著名なアニメ脚本家の方にお目にかかることがある。最近、その方とお話している中で「謙虚さ」や「遠慮」が話題となった際、ハッとさせられたことがあった。それは、次のような問いかけをいただいた時である。
「ある分野に初期から携わっている人間が、『その仕事をしていて、報われるのか?』と問われたときに、自信を持って『Yes!』と言えないでいたら、後から始める方に希望を与えることができるのか?」
これまでの自分を振り返ると、希望を与えて差し上げられたのかという点では反省すべき点も多い。これまで見てきたように、AUTOSARは基本的には「土台」、つまり裏方であり、地味な存在である。それは間違いないが、そのことだけを強調しすぎていたのかもしれない。しかし、長年携わってきた以上、少なくとも「使えばいつかは報われる」と確信をもってお答えできるのは間違いない。
次回からは、AUTOSAR導入に関し、乗り越えるべき壁だけではなく、それを助けるものや期待できることなど明るい面も可能な限りご紹介していきたい。
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