CAEは高度化と簡易化に分かれる、生産技術CAEも充実:DMS2015リポート【CAD/CAE編】(3/4 ページ)
「第26回 設計・製造ソリューション展(DMS2015)」では、VDI環境でのCAE実施や、高度な解析が社内でも使えるようになるなど、一層CAEの利用範囲の拡大が感じられた。
目的に特化した製品も
アプライドデザインも生産技術分野で用いる解析ツールを中心に展示していた。「解析の専門用語を使わず使いやすいことがポイント」(説明員)。「COPRA」は独dataM Sheet Metal Solutions社が開発したロールフォーミングに特化した設計・解析統合ソフトウェア。自社内でテスト検証も行っているのが特徴だという。
「QFORM7」は、ロシアQuantorForm社製の完全アダプティブの高速鍛造シミュレーションツールである。完全アダプティブメッシュ、高速・高精度の独自アルゴリズムの内蔵などが特長。2D、3Dの一貫した鍛造解析を行う。熱・温・冷間の閉・開ダイ構造、縦・横断ローリング、超塑性や焼き入れ、焼き戻しなど全ての金属鍛造工程をサポートするという。
「CLICK2CAST」は、簡単さをコンセプトに開発された設計者向けのクイック鍛造シミュレーションツールである。設計の初期段階でエアトラップやポロシティ、コールドショットといった典型的な鋳造欠陥を改善・最適化できる。作業を5ステップとして示していた。まずSTLをインポート、続いて自動メッシング、次にプロセスパラメータを設定して、解析を実行、結果の評価となる。メッシングでは湯口も自動作成するという。
亀裂の方向やスピードを解析
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)では、粒状体挙動解析などユニークなツールを紹介していた。
「FINAS/CRACK」は3次元亀裂進展自動解析システム。自社開発で、疲労、熱応力、応力腐食割れによる亀裂進展解析を全自動で行うという。亀裂の方向やそのスピードを算出できる。AbaqusやMSC Nastran、FINAS/STARとのインタフェースを持つ。リメッシュ領域の指定による解析時間の短縮や、シェル、はり、トラス、ソリッドの混合モデルへの対応といった特長がある。
例えば、船舶の例では、燃料容器の亀裂方向の制御や寿命を計算して部品交換の目安などを求めるのに用いられているという。
さらに、個別要素法を採用したソフトウェアも紹介していた。米Itasca社の2次元/3次元粒状体挙動解析ソフトウェア「PFC2D/PFC3D」では、粒子や粉体などの粒状体挙動だけでなく、粒子の集合体で固体材料にも対応できる。例えば、コンクリートの変形や破壊、亀裂の進展といった解析が行えるという。
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