「プリウスα」のリコール、「アクセラ ハイブリッド」にも飛び火:エコカー技術
マツダは、主力車「アクセラ」のハイブリッドモデル「アクセラ ハイブリッド」のリコールを国土交通省に提出した。対象台数は9335台。不具合の発見の動機は「契約先からの情報」となっている。この「契約先」とはトヨタ自動車のことだ。
マツダは2015年7月16日、主力車「アクセラ」のハイブリッドモデル「アクセラ ハイブリッド」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは、2013年10月〜2014年10月に製造した9335台。
リコール原因は、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアの不具合である。具体的には、電力変換器(DC-ACインバータ)内の昇圧回路用素子が、制御ソフトウェアの不具合によって熱応力で損傷することがある。このとき、警告灯が点灯してフェイルセーフのモーター走行となり、素子損傷時に電気ノイズが発生した場合にはハイブリッドシステムそのものが停止して、走行不能になるおそれがある。
改善措置は、リコール対象となる全車両で、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアを対策仕様に修正する。制御ソフトウェアの修正後に警告灯が点灯した場合には、電力変換器のモジュールを無償交換する。
市場での不具合発生件数は0件で、発見の動機は「契約先からの情報」となっている。この「契約先」とはトヨタ自動車のことだ。
アクセラ ハイブリッドは、トヨタ自動車からライセンスを受けて、「プリウス」などに搭載されている「リダクション機構付きTHS II」のハイブリッド技術を導入していることで知られている。
トヨタ自動車は2015年7月15日に「プリウスα」のリコールを国土交通省に提出している(関連記事:「プリウスα」のハイブリッドシステム不具合、2014年2月の「プリウス」と酷似)。プリウスαとアクセラ ハイブリッドののリコール原因がほぼ同じ内容になっていることから、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアもほぼ同じものを用いているとみられる。
なお、プリウスαやアクセラ ハイブリッドと同様の不具合によるリコールは、2014年2月にプリウスでも発生している(関連記事:3代目「プリウス」がハイブリッドシステムの制御不具合でリコール、190万台が対象)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「プリウスα」のハイブリッドシステム不具合、2014年2月の「プリウス」と酷似
トヨタ自動車は、2011年6月に発売した「プリウスα」のリコールを国土交通省に提出した。リコール原因は、ハイブリッドシステムの制御ソフトウェアの不具合で、インバータの昇圧回路用素子が熱応力で損傷し、走行不能になるおそれがある。 - 3代目「プリウス」がハイブリッドシステムの制御不具合でリコール、190万台が対象
トヨタ自動車は2014年2月12日、2009年5月に発売した3代目「プリウス」のリコールを国土交通省に提出したと発表した。対象となるのは、2009年3月〜2014年2月に製造した約99万7000台。海外で販売している約90万台の3代目プリウスについても、各国・地域でリコールを提出する方針である。 - 「フィット ハイブリッド」5回目のリコール原因、ハイブリッドシステムと無関係
ホンダは、ハイブリッド車「フィット ハイブリッド」と「ヴェゼル ハイブリッド」、軽自動車「N-WGN」と「N-WGN Custom」のリコールを国土交通省に提出した。フィット ハイブリッドのリコールは2013年9月の発売から5回目。今回の不具合原因はハイブリッドシステムとは無関係だという。 - 日産のFRハイブリッド車1万8000台がリコール、「フーガ」「スカイライン」など
日産自動車は2014年9月18日、FRハイブリッドシステムを搭載する「フーガ」、「シーマ」、「スカイライン」、三菱自動車にOEM供給している「ディグニティ」のリコールを国土交通省に提出した。対象となるのは、2010年9月〜2014年7月に製造した1万8525台。 - 日産「スカイライン」が米国でリコール、EV走行時にモーター停止のおそれ
米国運輸省の道路交通安全局は、日産自動車がインフィニティブランドで展開している、FRハイブリッドシステム搭載車両「Q50」と「Q70」についてリコールの提出を受理したと発表した。両車の日本名は、Q50が「スカイライン」、Q70が「フーガ」である。