タイにレンタル工場を開設し、市内企業の進出を支援:FAニュース
川崎市は、同市内の企業がタイで生産拠点を設立する際の支援策として、タイ・バンコク近郊の工業用地内に「川崎パトンタニ・インダストリアルパーク(KPIP)」を開設する。
川崎市は2015年6月8日、タイ・バンコク近郊の工業用地内に「川崎パトンタニ・インダストリアルパーク(KPIP)」を開設すると発表した。川崎市内の企業が、タイで生産拠点を設立する際の支援策となる。
今回、川崎市が発表したKPIPは、首都バンコクから北に約40kmのパトンタニ県中心部にあるチュムヌムサップ工業用地内に開設される。2万8800m2のレンタル工場エリアに、工場面積1128m2の1ユニット独立型を8つ、833m2の3ユニット長屋型を6つ建設。入居は2015年10月頃からの予定で、1m2当たりの月額家賃は独立型が220バーツ、長屋型が200バーツとなる。
同工業用地は、バンコク中心部から車で約45分というアクセスの良さに加え、海抜2.2m以上の高台に立地し、2011年の大洪水の際も水没はしなかった。また、工業用地内に発電所があり、電力料金が一般料金より安い。人口密度が高く、大学も近いため、労働力も確保しやすいという。
川崎市では、KPIPの開設に当たり、市内の「川崎市海外ビジネス支援センター(KOBS)」で海外展開をサポートする他、タイ現地でも支援に取り組む。2014年4月には連絡代行機能などを提供する「川崎中小企業バンコク合同事務所」を設置し、2015年6月にはビジネス展開に関わる相談を受け付ける「川崎海外ビジネスサポートデスク」をタイで開設。さらに、現地大手金融グループのカシコン銀行やタイ工業省とも提携を図り、タイ進出の支援を行うとしている。
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