システムの構築・導入期間を短縮する高度制御ソリューションを開発:FAニュース
横河電機はシェルと共同で、次世代の高度制御ソリューション「Platform for Advanced Control and Estimation」を開発した。多変数モデル予測制御やソフトセンサーなどを同一のプラットフォーム上で構築・運用できる。
横河電機は2015年6月5日、シェルと共同で開発した、次世代の高度制御ソリューション「Platform for Advanced Control and Estimation」を発売した。石油・石油化学・化学・ガス・電力などの連続プロセスを持つプラントにおける高度制御に対応し、システムの構築・導入期間の短縮、保守性が向上するという。
今回開発された制御ソリューションは、シェルがプラント操業で培った高度制御技術と、横河電機のリアルタイム制御技術を生かして開発されたソフトウェアパッケージとなる。多変数モデル予測制御の他、ソフトセンサー、生産制御システムとのインタフェース、各種演算機能などの必要なシステムを同一のプラットフォーム上で構築・運用できる。
プロセスの動特性応答モデルの構築時には、機器への操作出力によって関連するプロセス値がどう変化するかのテストを長時間行うが、同ソリューションでは、同テストを自動で行うことが可能。また、動特性応答データから得たモデルの評価結果が表示され、最適なモデルを選択できるため、エンジニアリングの期間を短縮できる。
さらに、高度制御システム全体を見渡せる画面、装置・制御対象ごとの状況を監視できる画面など、階層化した表示画面を標準で装備。エンジニアリングを簡素化し、操作性を向上させた。稼働状態を一目で認識できる表示も備え、システム導入後の操業条件の変更や設備の経年変化による導入効果の低下も把握できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- BtoB受注生産型製造業でのモジュール設計改革
個別受注型生産でもモジュラー設計は実現できる! 受注生産型製造業がモジュラー設計を取り入れる際の影響範囲や業界展望を整理する - 海外展開でもうかる企業は一部だけ!? 日系企業が国内生産にこだわるべき理由
長年生産管理を追求してきた筆者が、海外展開における「工場立地」の基準について解説する本連載。4回目となる今回は、あらためて日本国内での生産の価値とその可能性について解説する。 - 「状況認識」を実現するSIEMの活用(後編)――制御システムを守る3つの活用事例
制御システム技術者が知っておくべき「セキュリティの基礎知識」を分かりやすく紹介する本連載。今回は、前回に引き続き制御システムにおける「SIEM(Security Information and Event Management)の活用例について解説する。 - 個別受注生産型企業が図面文化から脱却するには
個別受注生産企業の業務カイゼンはどうあるべきか。エンジニアリングチェーンから読み解くリードタイム短縮、競争力強化の処方箋を紹介する - 工場システムがネットで丸見え!? ――JPCERT/CCが訴える制御システムの危機
制御システムセキュリティへの危機感が高まっているが、製造業はどういう対策を取り得るだろうか。セキュリティの対策支援や啓蒙を行うJPCERT/CCは2012年に制御システムセキュリティ専門の対策チームを設立した。現状までの取り組みと狙いについてJPCERT/CC 常務理事の有村浩一氏に聞いた。