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IoTで広がるビジネスチャンス、愛知県に見る地方発ベンチャーの育て方モノづくり×ベンチャー インタビュー(4)(1/3 ページ)

政府が掲げる「地方創生」の方針やベンチャーキャピタルによる投資額の増加もあり、地方発のベンチャー企業の育成が盛り上がっている。愛知県名古屋市で2003年からベンチャー企業の育成に取り組む「あいちベンチャーハウス」を取材した。

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 政府がベンチャー企業を支援する方針を打ち出し、金融緩和の影響でベンチャーキャピタル(VC)による投資額も増加するなど、日本のベンチャー企業には追い風が吹いている。日本政策金融公庫の中小・ベンチャー企業とした融資である「新事業育成資金」の、2014年度における融資実績は907社、478億円となり過去最高を記録した。

 新たな“ベンチャーブーム”とも呼べる状況が到来しているが、そこには複数の特徴がある。1つがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)とに代表されるように、“ITとモノ“を掛け合わせた新たなアイデアを強みとしている企業が増えているという点。そして安倍政権が掲げる「地方創生」の動きに伴い、東京一極集中ではなく、地方発のベンチャー企業育成の動きが増えている点だ。

 こうしたトレンドがある中で、実際に地方ではベンチャー企業育成についてどんな取り組みを行っているのか。今回は自動車産業を中心に“モノづくりの県”である愛知県で、2003年から県内のベンチャー企業の育成を行っている「あいちベンチャーハウス」を取材した。

2003年から愛知県内のベンチャー企業の育成を支援


名古屋市中区にある「あいちベンチャーハウス」の外観。旧県税事務所を改修している

 あいちベンチャーハウスは愛知県が2003年1月に、県内へのIT産業の集積・育成を目的に設立したベンチャー企業の支援施設だ。名古屋市の中心地区に近い中区新栄町にある旧県税事務所を改修した施設で、創業5年未満のベンチャー企業を対象にさまざまなサポートを提供している。

 その1つが事業スペースの提供で、あいちベンチャーハウス内の部屋をオフィスとして賃料無料で貸し出している。入居企業は、光熱費や通信費のみを支払うという仕組みだ。ミーティングスペースやシャワー室なども備えており、入居企業は施設を24時間365日利用できる。

会議室(左)やミーティングスペース(右)も備える(クリックで拡大)

 現在はWeb制作、Webサービス、ソフトウェア開発、農業、建築などさまざまな事業を手掛ける24のベンチャー企業が入居している。入居には審査が必要で、事業の独創性や計画性、人間性などの複数の基準で審査が行われるという。入居の期限は原則3年で、事業の進捗具合に応じて最大5年まで延長できる。

インキュベーションマネージャーによる徹底指導

 こうした施設の提供に加え、あいちベンチャーハウスが最も強みとしているのが、施設に常駐しているインキュベーションマネージャー(IM)による入居企業へのサポートだ。IMが事業の進捗やその中で生まれる課題を常に把握して、資金調達に向けた金融機関とのやりとり、ビジネスモデルの策定や事業の拡大に向けた経営指導、人脈の構築など、事業運営に必要なさまざまな部分のサポートを行っている。


IMによるサポートの概要(クリックで拡大)出典:あいちベンチャーハウス
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