メルセデス・ベンツがSUVに新ネーミング、第1弾「GLE」が登場:ニューヨークモーターショー2015 リポート(1/4 ページ)
メルセデス・ベンツブランドが、「ニューヨークモーターショー2015」のプレビューイベントで新型SUV「GLE」を披露した。新ネーミング採用に合わせたSUV刷新の第1弾となる。注目のプラグインハイブリッドモデル「GLE 500 e」と併せて、川端由美氏のリポートをお送りする。
米国で開催される国際モーターショーと言えば、自動車産業の中心地であるデトロイトで開催される「デトロイトショー」だろう。だがデトロイトショーの他にも、米国では幾つかの国際モーターショーが開かれている。
例えば「ロサンゼルスショー」は、富裕層が集まる地域で開かれるという位置付けだ。これに対して「ニューヨークショー」は、小規模ながらも個性を放つ国際モーターショーとなっている。ニューヨークは、投資家やアナリストが集まる株式市場があり、富裕層も多く、リベラルな考え方の人が多い都市であるが故に、日本車や欧州車の高級ブランドにとって、ここで何を見せるかは1つの勝負どころになっている。開催規模は小さいものの会場がマンハッタンにあること、開催期間がイースター休暇と重なることもあって、来場者も多い。
米国内で生産するSUVは重要なプロダクト
当然、Daimler(ダイムラー)のMercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)ブランドにとっても米国は世界有数の市場であり、中でも米国内で生産されるSUVは重要なプロダクトである。2015年1月に開催されたデトロイトショーでも、同社会長のディーター・チェッツェ氏が「今年(2015年)はSUVの年」と語っていた通り、従来は「GL」「GLK」「ML」と車名が分かれていたSUV群を、新設された「GLA」も加えて統一感のあるネーミングにしていくことを宣言していた。セダンのネーミングに習って、小さなサイズから順に「GLA」「GLC」「GLE」「GLS」と改名される。
確かに従来も「G」クラスまで数えると全部で5車種のSUVがあった割には、メルセデス・ベンツのSUVに統一されたイメージは乏しかった印象がある。それだけに、2014年にデビューした「GLA」というエントリークラスの増強に加えて、統一感のあるモデル名の採用によって、SUVのフルラインアップメーカーであることを知らしめたいところなのだろう。
同ブランドでSUVの開発責任者を務めるヴォルフ・ディーター・クルツ氏は、「20年前に『Mクラス』が登場したことによりプレミアムSUVというクラスが生まれました。しかも、純然たる米国生まれのSUVであり、今では米国、中国、ドイツが三大市場となっています。2014年に発表した通り、アラバマ州のタスカルーサ工場に20億米ドル以上の投資を行って、生産能力を引き上げつつあります。『Cクラス』の生産もスタートした今、最大で30万台の生産能力を備えています」と語る。
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