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いまさら聞けないPROFINET入門産業用ネットワーク技術解説(4/5 ページ)

イーサネットベースの産業用ネットワークである「PROFINET(プロフィネット)」をご存じでしょうか。工場の高度化が進む中、工場ネットワークのオープン化は加速しており、オープンネットワークであるPROFINETの利用範囲は拡大を続けています。本稿では、PROFINETとは何かを分かりやすく解説し、その強みに迫ります。

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PROFINETの高い拡張性と発展性

 PROFINETは、さまざまな優位機能がオプションとして機器ごとに組み込める仕様になっています。近年のネットワークへの期待の高まりもあって、オプション仕様に対応する機器がますます増えてきています。


安全機能「PROFIsafe(プロフィセーフ)」

 PROFINETの安全データ通信は、「PROFIsafe」プロトコルを使って行われます。PROFIsafeはFAおよびPA両分野の安全規格、要求を満たし、IEC 61508 SIL3までの安全アプリケーションに使用できます。ワイヤレスを含めて伝送の物理層や転送速度に影響されないブラックチャンネルを採用しています。

 ワイヤレスは2種類の周波数を用いた冗長化に対応し、AGV(無人搬送車)など向けに高速アクセスポイントの切り替えも行えます。

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図6:PROFIsafeの仕組み(クリックで拡大)※出典:シーメンス

省エネ対応機能「PROFIenergy(プロフィエナジー)」

 作業者の生産シフト交換時、休憩時、週末など短時間、長時間を問わず生産ラインを稼働させていないときに、コントローラーからの命令で必要な機器のみ選択的に電源スイッチを制御する機能です。エネルギー資源の節約により環境への配慮や競争力の維持に役立てることができます。

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図7:省エネ機能であるPROFIenergyの仕組み(クリックで拡大)※出典:シーメンス

ドライブプロファイル「PROFIdrive(プロフィドライブ)」

 駆動装置を制御するときの仕組みを規定しているプロファイルです。「PROFIdrive」対応ドライブであれば、モーションプログラムの資産を流用できるため、システムの拡張やメンテナンスが容易になります。

通信障害から復旧するリング型トポロジ

 リング型のトポロジを構築すれば、ネットワークに通信障害が発生した場合に自動的に通信ルートを切り替えることができます。

 MRP(Media Redundancy Protocol)は、IEC 62439で定義されている冗長化プロトコルで50台接続時のネットワークの断線時間を200ms以内とすることができます。IEEE 802.1wで定義されている冗長化プロトコルRSTPに比べ、非常に高速です。

 IRT通信でのリング型トポロジでは、IEC 61158で定義されているMRPD(Media Redundancy for Planned Duplication)に対応している機器で構成します。この場合、障害検知から回線切替え時間がかかりません(0m秒)。

Shared Device(シェアードデバイス)

 ある機器に対して複数コントローラーからのアクセスを可能にする機能です。例えば、リモートI/Oステーションに装着されているI/Oモジュールごとに制御対象のコントローラーを選択できます。ハードウェア費用の削減、ケーブルやモジュール設置スペースの削減が行えます。

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図8:Shared Deviceの仕組み ※出典:シーメンス

i-Device(アイデバイス)

 コントローラーをさらに上位のコントローラーから見たときに仮想的にリモートI/Oと見立ててコントローラー間通信を行う機能です。RT通信と同様にリアルタイムで通信します。

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図9:i-Deviceの仕組み ※出典:シーメンス

Fast Startup(ファストスタートアップ)

 モジュール化した機器をネットワークから分離、追加する際、追加された機器を特定しコントローラーに接続するまで500m秒以下を実現する機能です。

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