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【問題17】字句解析プログラムを作ろう完全マスター! 組み込みC言語プログラミング(19)(1/3 ページ)

コンピュータは人間と違って自然に「文字(字句)」を認識することはできません。字句を識別させるには事前に何が字句かを定めて、その規則に沿ったプログラムを作る必要があります。

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 本連載では、これから組み込みシステムのプログラミングを学びたい人向けに、C言語を使ったマイコン制御プログラムの“イロハ”を解説していきます。

 毎回少しずつステップアップしていけるよう、本文の最後で問題を出し、次回その解答と解説を紹介していきます。

プログラムの単語のカウント

問題17:

C言語のソースプログラムを読み取り、その中に単語がいくつあるか表示します。ただし単語とは、先頭の文字がアルファベットまたはアンダースコア(_)で、2文字目以降の文字がアルファベットまたはアンダースコアまたは数字とします。ダブルコーテーション(”)で囲まれた文字列リテラルやコメントは単語に含みません。


 人間は自然と単語(プログラム言語の予約語や識別子)を認識してプログラムを読むことができますが、コンピュータにとってプログラムは文字の並びにすぎません。ですからコンピュータに単語を識別させるには、「先頭の文字がアルファベットまたはアンダースコアで、2文字目以降の文字がアルファベットまたはアンダースコアまたは数字」のように単語がどんな文字の並びなのか定めて、その規則に従ってプログラムを作る必要があります。

 今回の課題ではファイルを扱いますが、fgetcを用いて、ファイルの先頭から1文字ずつ文字を読み取りながら単語を探していきます。しかしそれだけでは、文字列やコメントの中身も単語と認識してしまうので、それらを単語と区別する機能も備えています。

 それでは解答を発表します。

/* wowd counter */
#include <stdio.h>
#include <ctype.h>
 
void skip_word(void);
void skip_string(void);
void skip_const_char(void);
void skip_comment(void);
 
FILE *fp;
int ch;
 
int main(void)
{
    int count;
 
    fp = fopen("words.c", "r");
    if (fp == NULL) {
        printf("Can¥'t open file.¥n");
        return 1;
    }
    count = 0;
    ch = fgetc(fp);
    while (ch != EOF) {
        if (isalpha(ch) || (ch == '_')) {
            count++;
            skip_word();
        }
        else if (ch == '¥"') skip_string();
        else if (ch == '¥'') skip_const_char();
        else if (ch == '/') {
            ch =fgetc(fp);
            if (ch == '*') skip_comment();
        }
        else ch = fgetc(fp);
    }
    fclose(fp);
    printf("%d words¥n", count);
    return 0;
}
 
void skip_word(void)
{
    ch = fgetc(fp);
    while (isalnum(ch) || (ch == '_')) ch = fgetc(fp);
}
 
void skip_string(void)
{
    ch = fgetc(fp);
    while (ch != '¥"') {
        if (ch == '¥¥') ch = fgetc(fp);
        ch = fgetc(fp);
    }
    ch = fgetc(fp);
}
 
void skip_const_char(void)
{
    ch = fgetc(fp);
    while (ch != '¥'') {
        if (ch == '¥¥') ch = fgetc(fp);
        ch = fgetc(fp);
    }
    ch = fgetc(fp);
}
 
void skip_comment(void)
{
    ch = fgetc(fp);
    for (;;) {
        if (ch == '*') {
            ch = fgetc(fp);
            if (ch == '/') break;
        }
        ch = fgetc(fp);
    }
    ch = fgetc(fp);
}
words.c

 words.cはいくつかの関数で構成されます。words.cの関数の一覧を以下に示します。

関数名 概要
main mainから実行が開始されます。
skip_word 単語が見つかったら呼ばれる関数です。単語が終わるまで戻りません。
skip_string 文字列が見つかったら呼ばれる関数です。文字列が終わるまで戻りません。
skip_const_char 文字定数が見つかったら呼ばれる関数です。文字定数が終わるまで戻りません。
skip_comment コメントが見つかったら呼ばれる関数です。コメントが終わるまで戻りません。

 month.cを実行すると、次のような結果になります。

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