3Dプリンティング技術で生活を豊かに――パーソナル3Dプリンタ市場に攻勢をかけるXYZprinting:3Dプリンタの可能性を探る(6)(2/3 ページ)
パーソナル3Dプリンタ「ダヴィンチシリーズ」などを手掛ける台湾XYZprinting。新製品を立て続けにリリースした2014年に引き続き、2015年も製品ラインアップを拡充していくという。同社日本法人であるXYZプリンティングジャパン マーケティング部 マネージャーの新井原慶一郎氏に、今後の製品戦略やフードプリンタの取り組みなどについて伺った。
テクノロジーで生活をより豊かに
――2015年3月上旬に販売開始予定のノーベル 1.0が狙う市場はどこか? ダヴィンチシリーズと同じ、パーソナル市場向けなのか?
新井原氏 ノーベルシリーズが狙う領域は、ダヴィンチシリーズと同じである。われわれは3Dプリンタの活用領域を「産業用(金属)」「業務用(合成材)」「中小企業・パーソナル(プラスチック材)」の3つにセグメントしており、その中でいうと、ダヴィンチ、ノーベルともに中小企業・パーソナルをターゲットにした製品といえる。ただし、造形方式に違いもあり、積層ピッチも異なることから、ダヴィンチシリーズはエントリーユーザー向け、ノーベルシリーズはより精度を求めるプロシューマー向けだと考えている。ノーベル 1.0であれば、精度を求める個人のモノづくりだけでなく、製造現場における初期・中期の要求に耐えられるくらいの品質を十分に出せるだろう。
ノーベル 1.0の販売価格は22万9800円(税込)と光造形方式ながら非常に低価格。また、本体の販売価格もそうだが、専用レジンが500g×2本で1万5800円(税込)、専用レジンタンクが7200円(同)と比較的リーズナブルである。また、入手性についてもダヴィンチシリーズと同等で、基本的に同じ販売チャネルを利用して展開することになる。
――セグメントの話が出たが、今後、パーソナル領域以外の3Dプリンタ製品を出す予定はあるのか?
新井原氏 3Dプリンタ事業については、基本的にパーソナル領域しか展開していない。それがXYZprintingのミッションであり、業務用の3Dプリンタ製品を出すというプランは現状ない。われわれとしては、既存の製品シリーズを強化していくとともに、2015 International CESで示したフードプリンタのような、3Dプリンティング技術を応用して家庭内での暮らしを豊かにできる製品を展開していきたいと考えている。
ただし、“3Dプリンタ事業以外”での可能性という点では、New Kinpo Groupで培ったテクノロジーを活用した新しい製品展開も十分にあり得る。その例として、2015 International CESではLED照明を生かした水耕栽培キットやロボット、ウェアラブルデバイスなどをコンセプトとして参考出品している。3Dプリンタ事業はXYZ“printing”というブランドを使い、さらに今後立ち上がる可能性のある新事業については、XYZ“○○”という新しいブランド名称で展開していくかもしれない。このあたりの動きもぜひ注目してほしい。
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