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クリエーターと町工場をつなぐ台東デザイナーズビレッジとはzenmono通信(1/3 ページ)

モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、台東デザイナーズビレッジ 村長 鈴木淳さんが登場する。

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本記事はモノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から転載しています。


enmono宇都宮氏 第93回MMSは台東デザイナーズビレッジ、通称「デザビレ」からお送りします。ゲストはデザビレの村長、鈴木淳さんです。

鈴木氏 よろしくお願いします。

enmono宇都宮氏 デザビレはどのような施設なのでしょうか。

鈴木氏 デザビレは東京都台東区にある、ファッション・デザイン関連の創業支援施設です。平成16年(2004年)からモノづくり系クリエーターの支援を始めました。当時、ファッションや雑貨のクリエーターに特化した支援施設はありませんでした。支援をしているクリエーターは、どちらかというと「手で商品を作る」ところからビジネスを育てようとしている「手づくり作家」です。3年後の卒業までに独り立ちできるよう、ビジネスの立ち上げで一番厳しい部分を応援していこうというのが、ここの役割ですね。

enmono宇都宮氏 ファッション系なのは土地柄ですか?

鈴木氏 この地域は、帽子やアクセサリー、鞄(かばん)など洋服以外の“身につけるもの”の産地です。メーカーさん、問屋さん、材料屋さん、職人さんが集まっている、下請けのモノづくり地域です。有名ブランドが海外で製造するようになって、台東区は廃業率が一番高い区になってしまいました。そこで、台東区役所が創業者を増やそうとしたのです。「生き残るためには付加価値が高いもの、デザイン性が高いものを作らなければならないのに、台東区はデザイナーが少ない」という話になり、地元の産業を助けられるようなデザイナーを集めることになりました。それと、(台東区内の)廃校を活用するためでもあります。

enmono宇都宮氏 この建物は小学校だったそうですね。

鈴木氏 昭和3年(1928年)に建った、関東大震災後の復興小学校でした。人口が戦前の3分の1と、ここ(台東区)は都心の過疎地域なんですね。廃校の教室を創業者向けアトリエにして、台東区が入居者を募集しました。18室に対して45組が応募し、入居者が決まり、後は村長の私に運営を任せるという感じでスタートしました。

enmono宇都宮氏 トントン拍子にスタートして……?

鈴木氏 いいえ、非常に苦労しました。最初、1人当たり10分の入居審査のみだったんですよ。最初の審査では「しゃべりがうまい人」と、「良い学校を出た人」が選ばれました。でも入居した人たちは、「家賃が安いから応募した」という人が多かったんですね。倉庫代わりに使っている人とか、又貸しする人もいました。毎年、地元の人に施設を公開する日があって、そのイベント当日に「私は関係ない」と部屋が閉まっていたり、いろんな問題が起こって危機感を持ちました。今は書類審査、面接、最終審査と3段階の審査があり、面接は1時間かけています。

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