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ベンツの未来系「Fモデル」がCESの基調講演で初公開される意義2015 CES 基調講演リポート(2/3 ページ)

「2015 International CES」の基調講演にダイムラー会長のディーター・ツェッチェ氏が登壇し、自動運転車の未来系を示すコンセプトカー「Mercedes-Benz F 015 Luxury in Motion」を初公開した。同社のフューチャーモビリティのコンセプトである「Fモデル」が、モーターショー以外で初公開されるのは異例のことだ。

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パワートレインは「F 125!」を受け継ぐ

 F 015は、大容量の二次電池パックを持つプラグインタイプの燃料電池車であり、その心臓部は125周年を記念して作られた将来を見据えたコンセプトカーF 125!から譲り受けている。充電によってEVとして約200km走らせることができる一方で、耐圧70MPaの水素タンクを充てんすれば、燃料電池車として約900kmの走行が可能。合計で約1100kmの走行距離を誇る。

 また、CFRPやアルミ、高張力鋼板などの軽量素材を活用したスマートボディ構造により、同クラスの市販車と比べて重量が40%も軽い。100kWもの高出力モーターを2基、リアに搭載する。最高出力200kW/最大トルク200Nmで後輪を駆動し、その結果、時速0〜100kmの加速時間を6.7秒で、最高速度は時速200kmをマークする。一方で、100kmの走行に必要な水素は0.6kg程度、軽油換算で2l(リットル)程度のエネルギー量に抑えられている。

 F 015は、内外装のデザインもユニークだ。全長5220×全幅2018×全高1524mmの外形寸法は、「Sクラス」のロングホイールベースと比べて全長が30mm短く、全幅が118mm広い。しかしながら、ホイールベースは445mmも長く、極端なオーバーハングとすることで、室内空間を最大限に拡大している。

 ボディラインを強調せずに、豊かな面で包み込んだようなスタイリングは、LEDを使ったヘッドランプや26インチの超大径ホイールとともに極めて斬新に映る。

「F 015」の外観「F 015」の外観「F 015」の外観 「F 015」の外観(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 20世紀初頭に同社が開発した、乗員が向い合って座るモデルからインスピレーションを得ており、運転席まで含めて独立したラウンジ風のシートが回転して、向かい合わせに座ることができる仕組みだ。乗降時には座席がドア側に30度回転し、ドアそのものも90度開いて、快適に乗降できるようにしている。先述のような新しいスマートボディ構造を採用したことで、Bピラーなしでも十分に強度を保てることも乗降性の向上に一役買っている。

「F 015」の内装「F 015」の内装4人の乗員が向かい合わせに座ることができる 「F 015」の内装。4人の乗員が向かい合わせに座ることができる(クリックで拡大) 出典;ダイムラー

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