東芝がモジュール式スマホ「Project Ara」向けICの仕様を公開:組み込み開発ニュース
東芝が「Project Ara」に向けたICの仕様を公開した。概要の他、ブロックダイヤグラムも公開されている。
東芝はGoogleが計画しているモジュール式スマートフォン「Project Ara」向けICの仕様の一部を、同社の開発者向けサイトにて先行公開した。
公開したのはアプリケーションプロセッサやカメラ、ディスプレイなどを接続する「AP Bridge」と、LTEやWi-Fiなど通信モジュールやUSBなどI/O回りを接続する「GP Bridge」の2つ。詳細な仕様は公開されておらずα版に相当するものだが、大まかな仕様とブロックダイヤグラムは記載されており、回路や基礎設計に着手できるだけの情報が含まれている。なお、これらICの生産は同社大分工場で行われる見込み。
Project Araは機能ごとに基板をブロック化、必要なモジュールを選択することで、好みに似合ったスマートフォンを作れるプロジェクト。東芝はProject Ara用モジュール開発者向けサイトを既にオープンしており、前述ICの概略資料の他にも、カメラやWi-Fi、ディスプレイなど各種モジュール向けソリューション、デベロッパーズカンファレンスでのプレゼンテーション資料などを公開しており、リファレンスモデルについての情報も公開する予定だ。
なお、Googleは2015年1月にProject Araの開発者向けイベント「The Project Ara Module Developers Conference」を開催する。2015年1月14日には欧米向けとして米サンタクララで、同年1月21日にはアジア向けとしてシンガポールで行う。両日のイベントはライブ配信される。
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