“日本発の潮流”を発信する展示会に――SCF&計測展:SCF2015
FA・制御システムの専門展「システム コントロール フェア 2015(SCF2015)」と計測・制御の先端技術展「計測展2015 TOKYO」が2015年12月2〜4日で開催される。今回の共通テーマは「第4次産業革命―つながる化」だ。
日本電機工業会(JEMA)/日本電気制御機器工業会(NECA)/日本電気計測器工業会(JEMIMA)は2014年12月3日、FA・制御システムの専門展「システム コントロール フェア 2015(SCF2015)」と計測・制御の先端技術展「計測展2015 TOKYO」の合同記者発表会を実施。両展示会の開催概要を説明した。
SCFはJEMAとNECA、計測展はJEMIMAとそれぞれ主催団体が異なる両展示会がコラボレーションしたのは、前々回(2011年)の同時開催・相互入場からだ。前回の2013年ではさらに一歩進めて、東京ビッグサイト西1・2ホールを使って同一会場での開催とした。
来年の2015年12月2〜4日に東京ビッグサイトで開催する今回は、西ホール全館(1〜4ホールとアトリウム)を会場にし、出展小間数は1000小間以上(前回884小間)、来場者も7万人(前回4万8000人)を目標とするなど「過去最大規模の展示」(事務局)になるという。
SCF2015実行委員会・委員長の水上潔氏(日立製作所)は、「今回はこれまでの展示会よりもさらに大きく進化させていく。オートメーション/計測分野では日本で最大規模の展示会だが、規模拡大により“産業界を動かす展示会”にしていきたい」と語る。
潮流を発信していく
今回、両展示会が掲げる共通テーマは「第4次産業革命―つながる化」だ。水上氏は「産業革命は第1次が18世紀後半の蒸気機関・機械化、第2次が19世紀後半の電気化・大量生産、第3次が20世紀後半の電子化・多品種化ときて、クラウド・エンベデッド化が進む現在が第4次の産業革命といえる。この流れが製造業にドンと入ってきた時、日本はどうするべきかが問われている」と述べる。
この「第4次産業革命―つながる化」という日本製造業の新たな潮流を具現化するため、SCF&計測展では5つの視点(歴史・経緯/概念・将来像/技術・標準化動向/導入方法/産業政策)で展示やカンファレンスを構成するという。
出展対象品目として「ICT全般」「IoT/M2M」「ビッグデータ活用」といった項目を今回新たに追加。また“アジア最大の産業展”を目指して、海外パビリオンや外資系企業出展にも注力していくという。
「日本ではリーマンショックやグローバル化の弊害が指摘される一方で、米国ではGEが提唱する『Industrial Internet』、ドイツでは『Industrie4.0』など欧米の“製造業回帰”がある。米国では航空宇宙分野、ドイツでは自動車産業を重点分野とするこれらの動きはまさに“黒船”といえる。このような状況下で日本はどうするか。それを5つの視点によるテーマ展示とカンファレンスで発信していきたい」(水上氏)。
ロボット展と併催で“スマートマニュファクチャリング”の総合展に
東京ビッグサイトの西1・2ホールのみだった前回(2013年)は、出展者・来場者の双方から「手狭だった」と不満の声が上がったという。今回は西ホール全部を使い、さらに同じ期日で東ホールでの開催が決まっている「国際ロボット展」との相互入場も可能にするなど産業展同士のシナジーも狙う。
計測展2015 TOKYO実行委員会・委員長の須原一郎氏(アズビル)は「同日に東ホールで開催する『国際ロボット展』は前回の来場実績が10万人。相互入場によって“スマートマニュファクチャリング”という総合展をしているようなイメージになる」とその相乗効果に期待する。
また事前の広報活動も強化しており、2014年11月19〜21日にJEMIMAが大阪で開催した「計測展2014 OSAKA」では告知のための専用ステージを設け、SCF委員長の水上氏が登壇するなど業界団体の垣根を越えた活動を行っているという。2015年5月にはプレイベントの開催も予定されている他、さまざまなメディアでの告知活動も展開する予定だ。
「展示会は人と人とがつながる場。心と心がつながり、技術と技術、企業と企業がつながって、さらに産官学の連携にもつながっていく。こうすることでシーズの可能性、未来のマーケットが広がっていく。われわれの展示会が中心となって日本の産業の活性化に寄与するよう、全力で取り組んでいきたい」(須原氏)。
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