検索
ニュース

3Mが新型赤外線乾燥機で自動車補修業界を救う、「初期投資を1年で回収可能」塗装技術(2/3 ページ)

スリーエム ジャパンは自動車補修業界に向けたコンサルテーションを開始すると発表。同社の自動車補修用製品の効果的な使用方法の講習や補修工程の見直しといったコンサルテーションに加え、自動車の塗装の際に発生する乾燥工程の時間を短縮できる近赤外線乾燥機「3M クイック ドライ システム」を提供する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

乾燥工程の時間を短縮するクイックドライシステム

 3Mジャパンは、コンサルテーションに加え、自動車の塗装における乾燥工程で使用する近赤外線乾燥機、3M クイック ドライ システム(以下、ドライシステム)も提供する。下地や塗料をブロワーなどで風を吹き付けて乾燥させる方法と比較して、短時間で完全硬化させられるという。

 ドライシステムは「Model 3000」、「Model 2000」、「Type P」の3つのモデルが用意されている。会見と併せて行われたデモンストレーションでは、Model 2000を利用して、通常約30分かかる乾燥工程を約4分で終えられる様子が披露された。



3M クイック ドライ システムの「Model 2000」(クリックで拡大)

 Model 2000は、レール上を走行するガントリーに吊り下げる形で温度センサーを備えた触媒パネルを取り付けた装置になっている。触媒パネルは、塗装済みの車両を上部と左右を囲むように設置されている。ガントリーをレールに沿って移動させれば、触媒パネルが発する赤外線を車両全体に照射し、塗装の加熱乾燥を行えるという仕組みだ。

 触媒パネルからは波長が約1.0〜3.5μmの赤外線が照射され、塗料に含まれる水分や溶剤などを直接加熱する。塗料自体を発熱させるため、自動車のボディを過度に加熱することがなく、乾燥後の冷却工程にかかる時間を短縮できるという。

ドライシステムに装着されているレーザーセンサー(左)。車両の形状を検知することで、上部パネルの昇降をコントロールしている(右)(クリックで拡大)

 左右の触媒パネルにはレーザーセンサーが取り付けられており、車両の形状を検知する。これを利用し、例えばドライシステム全体が自動車のボンネット部分に到達した場合、上面の触媒パネルが自動で下降する仕組みとなっている。ハイエンドモデルのModel 3000には、上部パネルに回転機能が追加されている。事前に登録した車両形状に合わせて、上部パネルの角度が制御されるため、バンパーなどを装着したまま全自動で加熱乾燥が行えるという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る