百貨店には売ってない、世界で1つだけのジュエリーを作る! デジタルジュエリー体験記:国産ジュエリーCADを使ってみた(3/4 ページ)
STLデータから本格ジュエリーが製作できるサービス「make.digitaljewelry」を運営するジュエリーデザイナーの佐藤善久さんの協力の下、国産ジュエリーCAD「JCAD3 GLB」を使い、オリジナルデザインのシルバーリング製作に挑戦。3Dプリンタと職人技の融合を見た!
3Dプリンタ×職人技で本格ジュエリーへ
3Dデータができたら、アルファ21の工場でシルバーリングに加工してもらう段階に入ります。職人さんたちの腕の見せどころです。
まず、JCADで作成したデータを3Dプリンタで出力していきます。使用するのはメイコー社製の「LCV-810」(画像11)という光造形タイプの3Dプリンタです。この機種はJCADで作ったデータをそのまま転送できるので、「JCADと非常に相性のいい3Dプリンタなんですよ」と佐藤さんは説明してくれました。
次に、出力した樹脂製の指輪(画像12)を基に「ゴム型」と呼ばれるゴム製の型(画像13)を作ります。これは、加熱したときに溶けるワックス素材の指輪を作るための型です。型がずれたりしてデザインに影響が出ないよう、わざとギザギザさせながら作成する、職人ならではの技が光ります。型ができたらワックスを流し込み、できた指輪を基に今度は石こう型を作成します。そして、そこにシルバーを流し込み、鋳造工程に入ります。
こうした職人たちによる工程を経て、ようやくシルバーリングが姿を表します(画像14)。
この後は一度研磨して、「石留め」と呼ばれる宝石を指輪に固定する作業に入ります。この作業は接着剤を使わない職人技の見せどころで、ジュエリーのデザインや質を左右する重要なポイントになります。
アルファ21 代表取締役の中関久尚さんは、高い石留めの技術を持つ数少ない職人さんの1人だそうです(画像15)。しっかりと宝石を留めたら、最後に仕上げの研磨(画像16)、検品して完成です。
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