ネコ好きなシンクタンク研究員さん、モノづくりにはまる:3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(40)(2/4 ページ)
今回紹介するのは、シンクタンクの研究員さんによるネコグッズ開発。個人的なモノづくりが、きちんと自社の業務や政策提言にもつながるとのことなのです。さてさて……
一体、何をどうしたらいいのやら
北さんは、普段から地域の製造業などに関わりがあったとはいえ、自分でゼロから工業製品の企画を考え、モノづくりのパートナーを探し、形にしていく、という一連の流れを経験したことはありませんでした(製造業に関わっていたとしても、これら一連の流れを全て体験できるのは少ないでしょうけど)。
プロジェクトは冒頭から、まさに「苦労の連続」だったようです。つまるところ、あまりに分からないことだらけで、「何をどこに相談すればよいのかよく分からない」という状況だったとのことです。
いろいろな会社に話をしようにも、小ロット製品では話をあまり聞いてもらえないですし、そもそも製品企画が定まっていなければ持ち込み先も定まらないわけです。
「アイデアを商品化する」というサービスの会社に話をしにいっても、結局、北さんたちの意図を正しく理解してもらえなかったそうです。
まさにその渦中で、北さんが私と出会ったわけです。
相談内容は、「具体的なネコトイレの案は固まっているので、それをどう試作すればよいか」ということでした。北さんは、イラストを見せながら、そのコンセプトについて私に説明してくれました。
北さんが欲しいのは、すっきりしたデザインのホーロー製トイレ。既に、ホーローメーカーさんには相談しに行ったそうです。
試作については、製品の3次元データを用意して3Dプリンタで作ればよいと考えたそうです。ただ、その手段は何も3Dプリンタだけではなくて、初期の形状やコンセプトだけなら、ホームセンターなどで購入できるもので作って試してみては、と私からアドバイスを差し上げました。また初期コンセプトからの製品データ作成、3Dプリンタの活用、実際の材料での試作など、製品開発のプロセスを順を追って説明しました。
他のメンバーが開発を目指す製品についても質問を受けましたが、やはり「自分たちのコンセプトをしっかりと形にしていきたい!」といったところでした。
結局、当面のアクションとして「3Dモデリングをきちんと学ぼう」というところで、その日のお話はまとまりました。
後日、北さんから「3Dモデリングのセミナーの開催を正式に依頼したいので、スケジュールを組みたい」と連絡が来ました。
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