トヨタが2015年から運転支援システムを一新、高速道路では自動運転も:安全システム(2/5 ページ)
トヨタ自動車は、2015年に発売する車両から順次導入を始める運転支援システムの概要を発表した。高速道路での自動運転を可能にする機能をはじめ、これまでの車両に採用していたものを一新する内容となっている。
軽自動車の自動ブレーキより高性能の「Toyota Safety Sense C」
まずToyota Safety Sense Cは、レーザーレーダーと単眼カメラを用いる運転支援システムだ。機能は、衝突回避支援型PCS(プリクラッシュセーフティ)、レーンディパーチャーアラート(LDA)、オートマチックハイビーム(AHB)の3つを備える。
衝突回避支援型PCSは、レーザーレーダーと単眼カメラを使って、先行車両などを検知する。ドライバーにブザーとディスプレイ表示による警報でブレーキを促すとともに、ドライバーが警報に気付いてブレーキを踏んだ場合にはブレーキ力をアシストする。仮にドライバーがブレーキを踏まなかった場合でも、検知対象との相対速度差が時速30km以内であれば自動ブレーキを行い、衝突の回避や衝突被害の軽減を可能にする。
レーザーレーダーと単眼カメラ、両方のセンサー信号を融合するセンサーフュージョンによって、時速10〜80kmの幅広い速度範囲で動作させられることが最大の特徴。軽自動車を中心に採用されているレーザーレーダーだけを用いる運転支援システムの場合、自動ブレーキを掛けられる速度範囲は時速30km以内であり、検知対象との相対速度差が時速15〜20km以下の時に衝突回避が可能とされている。
走行車線の白線を認識し車線逸脱時に警報を出すLDAと、対向車両や先行車両の存在に合わせてハイビームとロービームを自動で切り替えるAHBは、センサーとして単眼カメラを使用している。
トヨタ自動車の場合、自動ブレーキが可能な運転支援システムについては、ミリ波レーダーを用いるのが基本だった。今回のToyota Safety Sense Cでは、ミリ波レーダーより安価なレーザーレーダーを採用しており、競合他社が小型車などに安価な価格で搭載している運転支援システムに対向できるような価格設定が可能になるとみられる。
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