検索
ニュース

ルネサス 初のグローバル組織「ADAS専門部隊」を設置、海外の先進ニーズ取り込むelectronica 2014(1/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは2014年10月に、市場拡大が予想される先進運転支援システム(ADAS)向けのビジネスを専門に手掛ける部署を立ち上げた。ドイツ・ミュンヘンで開催されている電子部品関連展示会「electronica 2014」(2014年11月11〜14日)で明らかにした。ADAS開発が活発な欧州など海外市場のニーズを取り込み、迅速に製品開発へ生かす狙いで、electronica 2014でも同部署が開発を手掛けた次世代ADASソリューションのデモを実施した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 ルネサス エレクトロニクスはドイツ ミュンヘンで開催中の「electronica 2014」(2014年11月11〜14日)にて、車載向け製品群や産業機器向け製品群の一部を展示している。

 とりわけ目を引くデモが、同社が2014年8月に発表した次世代サラウンドビュー向けSoC(System on Chip)「R-Car V2H」である。ARMのプロセッサコア「Cortex-A15」や、Imagination Technologiesの「PowerVR SGX531」などを搭載した製品で、2016年10月から量産を開始する予定だ(関連記事:ルネサスが次世代サラウンドビュー向けSoCを開発、全方位をリアルタイムで認識)。

「R-Car V2H」のデモ。1台の自動車に4台のカメラを搭載し、そのカメラの映像から、ルネサスが開発したアルゴリズムを用いて通行人を検知している。R-Car V2Hは、1チップで4台分のカメラの映像を処理している(クリックで拡大)

メンバーの1/3が海外従業員

 車載分野はルネサスが注力するエリアの1つだが、ADASについては同社の中で新しい動きがあった。2014年10月に、先進運転支援システム(ADAS)を専門に手掛ける部署である「ADASソリューション部」を立ち上げたのだ。R-Car V2Hも、同部署のメンバーがメインになって開発を手掛けた製品である。

 ADASソリューション部は、組織的には、車載分野向け製品を扱う第一ソリューション事業本部傘下にある車載情報システム事業部の所属になり、7カ国の従業員約100人で構成される。日本人が約2/3を占め、残りの1/3は主に欧州を拠点にしている従業員だ。ルネサスによれば、同社にとって「初の“グローバル”な組織」になるという。

マイコン+SoCの強み

 では、なぜ、ADASだけの専門部署を立ち上げたのか。車載情報システム事業部の副事業部長を務める、Renesas Electronics EuropeのJean-Francois Chouteau氏は、「ルネサスは、『RH850』シリーズに代表されるマイコンと、『R-Car』シリーズなどに代表されるSoCに強みを持っている。マイコンではリアルタイム制御の性能(コントロール)が要求され、SoCでは膨大なデータの処理能力(コンピューティング)が要求される。ADASというのは、これらのコントロールとコンピューティングが高精度に組み合わせたシステムだ。つまり、当社の強みをどちらも生かすことができる分野だといえる。さらに、ADASの採用はユーロNCAPの規定で強調されていることから、ADASを搭載する自動車は確実に増えるため、ルネサスにとって成長機会になることは間違いない」と述べる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る