NPOが作る「ナノ発電所」は、コミュニケーションツール:zenmono通信(2/3 ページ)
モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、エコロジーオンライン 上岡裕さんにお話を伺った。
上岡氏 バッテリーを作っているメーカーさんとの出会いがあって。すてきなバッテリーだったので、ボディを黒から白にして、「そらべあ」というキャラクターを付けることを提案しました。このキャラクターの雑貨はたくさん出ているんですけれど、雑貨の売上の一部が、「そらべあ基金」や海外の自然エネルギーの普及に使われています。
enmono三木氏 「そらべあ基金」は、いつ頃スタートした基金ですか?
上岡氏 2007年にスタートし、地球温暖化防止に取り組んでいます。初代の代表、理事長を自分がやったんですが、エコロジーオンラインやそこで関わっていた仲間たちに手渡し、独立した団体になっています。「そらべあ」もそうですけれども、自分はソニー・ミュージックエンタテインメントというソフト系の会社にいたので、情報発信したりキャラクターを使ったりといった、ソフト系の取り組みは得意なわけですよ。
enmono三木氏 そういう企業にいらっしゃって、どういう心境の変化でNPOを始められたのですか?
上岡氏 レコード会社では「伝える」いう仕事をさせていただいて、自分の担当した人が成功したり、充実した時期を過ごしたりしていました。そんな中で、ショーケースツアーでミュ―ジシャンと東南アジアへ行くたび、大気汚染や環境破壊がひどいのを目の当たりにして……。「このままでいいんだろうか?」と。ちょうど当時、湾岸戦争やバブル崩壊があり、価値観を考えるような時期だったんですね。自分は何ができるか考えた時、「持続可能な文化や文明が生まれるような広報活動を担えたら、自分の人生において大きな目標になるのではないか」と思いました。それで8年勤めた会社を辞めて、アメリカへ行って……。アメリカでは、インターネットを使って社会的課題を解決しようというNPOが、すでに生まれていたんですよ。その活動に参加したりして、1年半後に戻ってきました。
enmono三木氏 環境NPOを立ち上げるために、日本に戻ってこられたのですか?
上岡氏 いいえ。まだ、NPOで食べていけるような時代ではなかったです。それで、「鍼(はり)灸師で食べていこう」と考えて東洋医学を学んだり、ライターをやったり。仲間の編集者が「環境問題とか、いろいろ特集をやりたいから手伝えよ」と声をかけてくれて、数年間「週刊プレイボーイ」で連載していました。NPOを立ち上げたのは、2000年です。
enmono三木氏 それは、日本に戻ってから何年くらい?
上岡氏 8年くらいです。原稿を書いたりすることも得意になったので、まず自分で原稿を書くところからスタートしました。ボランティアさんやプロのカメラマン、漫画家の方など、「一緒にやりたい」と言ってくれる人たちが集まって、今の団体ができたんですね。
enmono三木氏 上岡さんとお話していると、地に足を着けている感じがすごいするんですよね。他のNPO的な人たちと違うのは、年期の差なのかな、と。福島の人とも、盛んにコミュニケーションを取られていますよね。
上岡氏 東日本大震災後に福島へ行った時、(福島県)伊達市の人たちから「これから復興しなくてはならない。その時に再生可能エネルギーをやっていきたい」と言われて……。2011年の5月ごろでしたね。それからゼロから一緒に、壁にぶつかり谷底に転がり、盛り上がり、笑い泣き、というのを2年経験しました。
enmono三木氏 僕らも福島へ行って、上岡さんと地域の人たちとのつながりが非常に強いと感じました。福島以外にも栃木や千葉と広域で動く中、どうやって20〜30個ものプロジェクトを管理しているのですか?
上岡氏 初期は自分がプロジェクトに入ってやって、途中で抜けられなくて苦労しました。自立型にするには、やっぱり、人が重要です。地域の人をやる気にさせて、応援してあげて、その先は自分たちでやってもらっています。
enmono三木氏 基本はその地域の人がリーダーになって、エコロジーオンラインさんはあくまでもお助け役で。必要なリソースとか人脈は、紹介してあげて。
上岡氏 そうです。ひとつひとつ行ってお話するのは大変なので、FacebookやSNSを使って。
enmono三木氏 かなり使ってますよね。Facebookがなければ、難しいですよね。
上岡氏 難しいですね。enmonoの三木さん、宇都宮さんとも離れている所に住んでいますから、皆さんがどんなところにいるのか、どんなことを考えているのか、Facebookで常に確認しています。
enmono三木氏 タイミングが合えば、Googleハングアウトでオンラインでお話をしたりとか。
上岡氏 もう十分ですよね、それで。時々会って、温泉に入ったり、飲んだりとか。
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