リアル巨大変形ロボット「J-deite」変形現場を目撃(動画あり):こいつ、動くぞ……
東京五輪の開催年、2020年に5mの巨大変形ロボット完成を目指す「Project J-deite」。先行試作機にあたる「J-deite Quarter」の詳細を、プロジェクトリーダーの石田賢司氏に紹介してもらった。
2020年の5mサイズ巨大変形ロボット完成を目指すプロジェクト「Project J-deite」。2014年10月10日に公開されたWebサイトではプロジェクトの概要や、プロトタイプモデルともいえる1/4スケール「J-deite Quarter」のデモンストレーション映像が公開されている。
「J-deite Quarter」は前述のように5mの変形ロボットを目指すための試作モデルであって、恒常的な一般公開は予定されていないが、2014年10月23〜26日に日本科学未来館にて開催される「デジタルコンテンツEXPO」のアスラテックブースにて展示されることが決定している。
一般へのお披露目に先立ち、プロジェクトリーダーを勤めるブレイブロボティクスの石田賢司氏にJ-deite Quarterを紹介してもらう機会を得たので、変形の様子を映像で紹介しつつ、プロジェクトの概要を改めてお伝えしたい。
石田氏は2002年に変形ロボット1号機を製作して以来、7.2号機までの製作を手掛けている。その全てがヒト型とクルマ型の変形機構を備え、2013年に完成した7.2号機はMaker Faire Tokyoに出展され各所で賞賛された他、後に受注生産による販売にまで踏み切るほどの完成度を得るに至った。
ただ、手掛けたロボットは全て全長40cmほどの模型サイズであり、目標とする“1/1スケール変形ロボット”にはまだ遠い。「7.2号機で(このサイズの変形ロボットとして)できることをやりきった感じがしていました。大型化を考えると作業量も増えるのでハードウェア面だけに集中することができないかと考えていたとき、V-Sido OSの吉崎さん(アスラテック 技術開発部部長 チーフロボットクリエーター 吉崎航氏)と一緒に取り組む機会を得ました」(石田氏)。
“変形ロボの石田さん”“V-Sido OSの吉崎さん”とお互いにその存在は認識していたそうだが、巨大変形ロボット実現という目的のため、両者がそれぞれの得意分野を持ち寄ってProject J-deiteの母体となる取り組みを始めたのが2013年の秋。ハードの石田、ソフトの吉崎によるバロムクロスといえよう。
完成したJ-deite Quarterの全長は約1.3m。ヒト型からクルマ型への変形には肘を後方に引いて水平にした後、胸部を開いて頭部を収納。正座するように膝を折り、上半身を斜め前方にスライドさせるという工程を経る。
この変形のプロセスは7.2号機から大きな変化はないが、大型化に伴う壁として立ちふさがったのは、モーター出力など材料の限界だった。J-deite Quarterはあえて一般市販されている材料のみで製作されており、動力源となるモーターも双葉電子工業製の市販品だ。制御ソフト(ヒューマンインタフェースソフト)にはV-Sido OSを採用しており、ロボット制御という面だけで見れば過去の蓄積があったために大きな苦労はなかったそうだが、「1.3mの変形ロボット制御なので、かなりギリギリの所を攻めている」(吉崎氏)という。
プロジェクトは石田氏をプロジェクトリーダー、吉崎氏所属のアスラテックをパートナー、変形と言えばトランスフォーマーということで、タカラトミーをサポーターとして、2020年の5m変形ロボット完成を目標に、まずは2016年の1/2スケール(全長2.5m)「J-deite Half」の開発を進める。
J-deite Halfの登場まであと2年、5m変形ロボットの完成まであと6年。先は長いように思えるが、『落下した隕石が異世界からの通信装置であり、異世界から“彼(J-deite)”を召喚するための器が自動車とヒト型ロボットである』というバックストーリーも用意されていることから、タカラトミーからのアクションも期待できそうだ。
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