日本特殊陶業がICパッケージ内微細配線で新技術、「FlatPlug SR」を提案:CEATEC 2014
日本特殊陶業は、「CEATEC JAPAN 2014」において、30μm以下にもなるパッケージ基板の微細配線に最適な新技術「FlatPlug SR」を提案した。
日本特殊陶業は、「CEATEC JAPAN 2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日、幕張メッセ)において、MPUやフリップチップを用いるCSPなどに用いられる、30μm以下にもなるパッケージ基板の微細配線に最適な新技術「FlatPlug SR」を提案した。
同社のICパッケージ材料と言えばセラミックが知られているが、樹脂も手掛けている。FlatPlug SRは、資本提携するイースタンがメモリ用基板のプリプレグに展開している技術を、日本特殊陶業が培ってきた樹脂材料の技術を活用してパッケージ基板向けに製品化したものだ。
現在、端子数の多いプロセッサ系ICのパッケージは、外縁部側にバンプを配置するペリフェラルBGAを使用することが多い。シリコンダイ裏面の銅ポストと端子をつなぐのは、パッケージ基板上にめっきプロセスで形成した30μm以下にもなる線幅の微細配線である。半導体プロセスの微細化が進むと、この微細配線もさらに細くなり、現在は線幅が20〜15μmに達する事例もあるという。
ここまで微細配線が細くなると、配線間が短絡したり、アンダーフィルを入れた際にボイドが発生したりといった、動作不具合につながる問題が発生しやすくなる。
FlatPlug SRは、形成した微細配線の間を樹脂材料で埋めることによって、配線間の短絡などが起こらないようにする技術だ。日本特殊陶業は、「FlatPlug SRを適用したパッケージ基板を使えば、微細化が進む半導体の、パッケージに起因する歩留まりの低下に対応できる」としている。ただし、使用している材料やプロセスについては「公開していない」(同社)ということだった。
「FlatPlug SR」を適用したパッケージ基板(上)と構造のイメージ。下側の構造のイメージのうち、微細配線(黄色)の周辺を埋める濃い緑色の部分がFlatPlug SRで用いる樹脂材料となっている(クリックで拡大)
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