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ダイムラーの中国産電気自動車「DENZA」はどんなクルマなのか電気自動車(2/3 ページ)

ドイツ車メーカーの中でも電気自動車(EV)への取り組みで先行してきたDaimler(ダイムラー)。同社がBYDとのジョイントベンチャーで、約4年の歳月と5億ユーロの巨費を投じて開発した中国産EV「DENZA」が間もなく発売される。DENZAはどんなクルマなのか。川端由美氏によるリポートをお届けする。

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「DENZA」のデザイナーはオリビエ・ブーレイ氏

 DENZAの試乗ステージに選ばれたのは、人口1700万人のメガシティ・深セン市内にあるBYD本社のR&Dセンター内である。同市には、発電量が40MWhに達する巨大な太陽光発電所がある。この発電量でDENZAを約2000台充電できるという。R&Dセンター内のテストコースはややコンパクトながら、バンクなども備えており、このサイズのクルマならテスト走行を十分に行える。


「DENZA」の試乗に用いられたBYD本社のR&Dセンター
「DENZA」の試乗に用いられたBYD本社のR&Dセンター(クリックで拡大)

 2013年4月開催の「上海モーターショー2013」に登場したコンセプトカーとおおむね同じデザインで、ボディカラーも同じメタリック・ブルーに塗られていた。ダイムラーとしても、中国のクルマとしても、幾分主張の少ないスタイリングは、あのオリビエ・ブーレイ氏が指揮を執って完成させたものである。三菱自動車、富士重工と渡り歩いたブーレイ氏は、建築学科出身で全体のバランスを重視したデザインで知られている。

 「EVだからといって人々を驚かす必要は全くない。むしろ、現在の自動車社会に抵抗無く溶け込むようなデザインにしたかった。余分な装飾を廃し、自動車デザインとは何かを示し、中国のデザインをリードして行くような先進的な存在にしたかった」(ブーレイ氏)。

 内装も外観同様に端正なデザインで、驚くことに質感もかなり高い。タッチスクリーンで操作可能な車載情報機器を搭載し、中国の自動車アセスメントプログラム・C-NCAPで5つ星を獲得するなど、先進性も盛り込まれている。見た目の品質からは、このまま中国の国外に輸出しても十分に通用するのではないかと感じた。

「DENZA」の内装(クリックで拡大) 出典:ダイムラー

 ボディ素材はスチール製であり、電池をたっぷりと積むこともあって、車両重量は2090kgに達する。炭素繊維強化樹脂を採用するBMWのi3の車両重量が1195kgにとどまるのと比べて、はるかに重い。

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