パナソニックが単1形乾電池で1トンの電車を動かす、秋田県の廃線で挑戦:2013年はプラレール
パナソニックは、実際に人間が乗車できるオリジナルの電車を開発し、単1形の乾電池「EVOLTA(エボルタ)」を動力源として線路上を約8km走破する実証実験に挑戦する。
パナソニックは2014年9月8日、実際に人間が乗車できるオリジナルの電車を開発し、単1形の乾電池「EVOLTA(エボルタ)」を動力源として線路上を約8km走破する実証実験に挑戦すると発表した。
今回開発するのは、外形寸法が全長4100×全幅1600×全高2200mmで、車両重量が500kgという、特殊強化ダンボール製の車両である。定員は10人(重量制限500kg)で、動力源には単1形のエボルタを使用する。使用本数は「まだ正確には決まっていないが、2〜3桁になる見通し」(同社広報部)。エボルタのイメージキャラクターである「エボルタくん」をデザインした車両の製作は、秋田県立大学と共同で行う。10月中旬の完成を予定している。
この車両を走行させる線路には、秋田県と同県大館市の全面協力を得て、旧小坂鉄道廃線を用いる。2009年に廃止されたもののほぼ全線のレールが残っており、今回の挑戦では製作した車両を8km走行させる予定。実施日は11月2日(予備日は同月3日)となっている。
同社は、エボルタやニッケル水素電池「充電式エボルタ」の性能を実証するために、グランドキャニオン登頂や東海道五十三次走破などに挑んできた。2013年は、「世界最長レールチャレンジ」として、タカラトミーの「プラレール」を使って世界一長いプラスチックレールを走破するギネス世界記録に挑戦。今回は、玩具の電車であるプラレールから、人が乗ることのできる電車にスケールアップして挑むことになる。
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