未来の机上工場を実現する小型3Dプリンタ「ARM-10」と切削加工機「SRM-20」:3Dプリンタニュース(2/2 ページ)
ローランド ディー. ジー.は、新シリーズ「monoFab(モノファブ)」のラインアップとして、光造形方式の小型3Dプリンタ「ARM-10」と小型切削加工機「SRM-20」の2機種を世界同時発売すると発表した。
SRM-20
SRM-20は、ロングセラーのMODELA「MDX-20」をフルモデルチェンジした3次元切削加工機である。同社の3次元切削加工機に関するノウハウを生かして新設計され、寸法精度や仕上がり表面の美しさなど、精巧さが求められる加工に強みを発揮するという。外形寸法は451×426.6×426.2mmで、重さは19.6kg。XYZ軸駆動方式はステッピングモーターを採用し、ストロークは203.2×152.4×60.5mmである。スピンドルモーターは、DCモーター 380タイプ(最高回転数:7000rpm)を採用。使用できる材料は、アクリル、ABS、木材、ケミカルウッド、ワックス、発泡材など。加工時の切削くずや粉じんの飛散を防ぐフルカバー構造を採用し、標準装備の集じんトレイと併せ、安全・静音・クリーンな環境を保つことができるという。
開発で苦労した点について、開発リーダーを務めた木下元邦氏は「MDX-20のユーザーにヒアリングしてみると粉じんと騒音の問題が指摘された。できるだけ粉じんを出さず、音もできるだけ心地の良い音にできるよう開発を進めてきた。特に粉じんの問題は苦労し、設計を工夫しながら何とか現在の最終形にまで持ってくることができた。こうした点に時間をかけてきたので、気持ちよくSRM-20を使ってほしい。そして、アイデアをいろいろな材料で削り出して形にしてもらいたい」と説明する。
コントローラ用のソフトウェアの他、CAMソフトウェア「MODELA Player 4」、2次元切削ソフトウェア「iModela Creator」、簡易加工ソフトウェア「ClickMILL」などの多彩なアプリケーションソフトウェアが付属。材料の切り出しや彫刻などの2次元加工から、3D CADデータを利用した本格的な3次元加工まで、さまざまな用途に応じた切削加工に対応できるという。また、マニュアルもチュートリアル形式で記載されており、初めての利用でも迷わず操作できるよう工夫されているとのことだ。
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