スバルの「WRX S4」と新型「WRX STI」、同じ2.0lターボエンジンでも異なる性能:エコカー技術(1/2 ページ)
富士重工業のスポーツセダン「WRX S4」と新型「WRX STI」は、同じ排気量2.0l(リットル)の水平対向4気筒ターボエンジンを搭載しながら、WRX S4は燃費性能や安全性能を、新型WRX STIは走行性能を重視した仕上がりとなっている。
富士重工業は2014年8月25日、スポーツセダン「WRXシリーズ」の新モデルとして「WRX S4」と「WRX STI」を発表した。WRX S4は、燃費性能や安全性能を重視し、より幅広いユーザー向けに開発されたWRXシリーズの新型車となる。一方、約7年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型WRX STIは、出力や足回りといった走行性能を重視した車両に位置付けられる。税込み価格は、WRX S4が334万8000〜356万4000円、WRX STIが379万800〜411万4800円。月間販売目標台数は、WRX S4が400台、WRX STIが250台。
従来モデルと比べてボディ剛性を大幅に向上
WRX S4と新型WRX STIの商品コンセプトは「Pure Power in Your Control」である。スポーツセダンとしての「絶対的な速さ」と「クルマを操ることの愉しさ」をさらに高次元で両立することを目指して、同社独自の水平対向ターボエンジンが持つポテンシャルを最大限に発揮するとともに、ドライバーのイメージ通りに操ることのできるコントロール性能を極限まで追求できるよう新たなボディを開発した。フロントやリヤのサスペンションとつながる部分を中心に結合性能を強化するなどして、従来モデルのWRX STIと比べてねじり剛性係数を40%以上、曲げ剛性係数を30%以上向上した。これらの剛性向上による重量増加は、従来モデルより約10kg軽いアルミ製フロントフードをはじめとする軽量化で相殺されている。この他、フロア下の空力パーツによって空力性能を高め、振動/騒音対策なども行って質感向上も図っている。
足回り関連では、操舵から車両が回頭するまでの「ステアリングレスポンス」、正確で安定したコーナリングを可能にする「リヤグリップ」、操縦安定性と乗り心地を向上する「フラットライド」をテーマとして開発を進めた。
従来モデルのWRX STIと比べて、フロントトレッド剛性を14%、リヤトレッド剛性を38%高め、フラットライドと関わる操縦安定性と乗り心地を高めた。リヤトレッド剛性の向上はリヤグリップの改善にもつながっている。ステアリングレスポンスは、ステアリングギヤボックスのマウンドブッシュばね定数を大幅に向上して取り付け剛性を高めた効果も含めて大幅に向上している。従来モデルのWRX STIで0.23〜0.24秒、スポーツカーの「BRZ」で0.14秒だったが、WRX S4と新型WRX STIは0.1秒まで短縮した。
ブレーキの応答性も向上させるため、高応答性バルブを用いたブレーキブースターを採用しているマスターシリンダーのサイズも、16分の15インチから1インチにして、ブレーキペダル踏み込み時の剛性感とフィーリングの向上を図った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.