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革新的原価低減に必要な“ものの見方と考え方”〔後編〕実践! IE:磐石モノづくりの革新的原価低減手法(3)(2/5 ページ)

革新的な原価低減を推進していくための考え方や手法について解説する「磐石モノづくりの革新的原価低減手法」ですが、今回は、この取り組みに必要な「標準時間」という考え方について解説します。

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「標準時間」の考え方

 はじめに「標準時間」について、基本的なことを少し説明しておきたいと思います。標準時間とは『標準の熟練度を持った作業者が、一定の作業条件下で標準作業に基づいて、普通の疲労度を伴った作業速度で、1単位の仕事量を完了させるために必要な所要時間のことで、その作業に要する適切な余裕時間を加えたものである』と定義されています。図1に、実働時間における標準時間の構成を記述しておきましたが、個々の用語の説明は割愛させて頂きます。

実働時間における標準時間の構成
図1:実働時間における標準時間の構成(クリックで拡大)

 標準時間の指標となる作業速度は「平たんな道で荷物を持たずに時速約5kmで歩く速度」や「52枚のトランプを1辺が45cmの正方形の四隅に25秒で配り終える手の速度」などの例で説明されます。

標準時間の測定方法

 標準時間を設定するための作業測定の方法には「SW(Stop Watch)法」「WF(Work Factor)法」「RWF(Ready Work Factor)法」「MTM(Method Time Measurement)法」「標準資料法」「WS(Work Sampling)法」などのさまざまな手法があります。これらの中で、要求される精度に合わせて最適な測定手法を選択します。

 各手法において、標準時間を設定するには、専門知識と訓練を必要とします。現在、標準時間を運用していない企業は、取りあえずの基準時間を設定し、それを基に精度を上げていく運用方法が適しています。標準時間の設定の際、多用されている「標準資料法」については後ほど解説します。作業標準書も標準時間も日常の企業活動で活用しなければ、設定してもすぐに死文化してしまいますので、活用する意識が最も重要になるでしょう。

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