ディズニーの夢と魔法を実現する最新テクノロジーの世界:イマジニアによる最先端VR・AR活用(2/4 ページ)
ウォルトの作りし世界を記録するメディア「dpost.jp」を運営する宮田健氏による講演リポート。今回は、「第22回 3D&バーチャル リアリティ展」の特別講演「ウォルト・ディズニー・イマジニアリングの技術と魔法 〜最新アトラクションにおけるVR・AR活用の最先端〜」の様子をお届けする。
Dynamic Environmentは、既にディズニーのテーマパークに展開されている。
例えば、米国カリフォルニア州アナハイムのディズニーランド「白雪姫と七人のこびと(Snow White's Scary Adventures)」だ。このアトラクションのオープンは1955年7月17日、ディズニーランドの開園と同時だ。そのクラシックなアトラクションは2010年にリニューアルを行い、細かな環境追加を行っている。これまでの歴史あるセットに対し、高いダイナミックレンジの映写が行える特別なプロジェクターを使い、複数の角度から見ても自然な効果を施している。
さらに特徴的な演出が施されたのは、「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー(Indiana Jones Adventure:Temple of the Forbidden Eye)」だ。東京ディズニーシーでも同様のアトラクションが存在するが、本家アナハイムのディズニーランドでは、アトラクションの冒頭で3つのゲートが存在し、乗る度にルートが変化するというギミックがある。実際は扇形の壁が都度移動するだけで、全てが同じレール上を動く、ということはディズニーファンにとっては公然の秘密であった。
2013年に行われたアップデートにより、このギミックに大きな意味が付けられた。もともとこの3つのゲートは、それぞれ「若さの泉への入り口」「巨万の富への入り口」「未来が見える能力への入り口」とされていたが、その先にある「マーラ」と呼ばれる魔神の偶像に、ストーリーに合ったプロジェクションマッピングが施されるようになった。
Dynamic Environmentは、その他にも規模を問わず多くの場所で利用されている。最近の例としては、東京ディズニーランドのシンデレラ城を舞台に行われるショー「ワンス・アポン・ア・タイム」がある。
この実現においては、複数のプロジェクターを正確に同期させる必要があることや、動きのある物体、さらにはライブアクターの動きにも合わせた投射手法など、課題も多いという。ミネ氏はこのDynamic Environmentという手法を、今後も進化させるとした。
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