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生産寄りでの利用を促進したい――ストラタシス、3Dプリンタを一堂にDMS2014

ストラタシス・ジャパンは「第25回 設計・製造ソリューション展」において、3Dプリンタの最新機種を一堂に公開。機種ごとのサンプルを豊富に展示し、生産現場の冶具の出力例なども紹介していた。

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 ストラタシス・ジャパンは「第25回 設計・製造ソリューション展(DMS2014)」(2014年6月25〜27日、東京ビッグサイト)の同社ブース(アルテックと合同出展)で、ローエンドからハイエンドまで幅広い3Dプリンタ製品群を展示していた。また日本のユーザーの使用事例や子会社の出力サービスのも紹介。ストラタシスでは2013年に米MakerBot社を買収しており、コンシューマ向けおよびハイエンド機を展開するに至っている。同社が提供する3DプリンタはFDM方式とインクジェット方式に分けられる。どちらも試作に使われるのは共通だが、使用事例の紹介ではそれぞれ異なった使い方も見られた。

 同社の最も新しい機種として展示されていたのが、インクジェット方式のハイエンド機「Objet500 Connex3」だ。インクジェットのノズルから紫外線硬化樹脂を1層ずつ出力し、紫外線で硬化させた後、さらに層を重ねる仕組みだ。大きな特徴がカラーで出力できることである。特に「色を付けた透明の材料を作れるのが一番の魅力」(ブース担当者)という。ノズルが3つあるため材料を3種類同時に使用することができ、それぞれの材料の混合でさまざまな色を出力することができる。表面の仕上がりも比較的滑らかでデザインを見る用途に適した装置となる。

photophoto インクジェット方式のハイエンド機「Objet500 Connex3」(左)。3種類の材料の混合でさまざまな色を出力することができる。色を付けた透明の材料を作れるのも魅力(右)(クリックで拡大)

 製造業向けで紹介されていた出力例が金型の代替使用だ。スワニーでは射出成型の型、アルテックグループの中国現地法人である愛而泰可新材料(蘇州)有限公司ではブロー成形試作金型をConnexシリーズで製作している。

photophoto スワニーによる射出成型の型(左)。愛而泰可新材料(蘇州)有限公司によるブロー成形試作金型(右)(クリックで拡大)

 主にデザインを確認する用途として紹介されていたのが、YKKのカラビナ、レクサスのコンテスト作品、初音ミクのフィギュアだ。YKKでは試作段階でカラーで出力し、形状および見た目の確認を行った。レクサスはデザイナーによる作品で、3Dプリンタならではの形状を作成したという。

photophotophoto YKKのカラビナ(左)、レクサスのコンテスト作品(中央)、初音ミクのフィギュア(右)(クリックで拡大)

 一方、FDM方式のハイエンド機種として展示されていたのが「FORTUS400mc」だ。FDMは樹脂をノズルから吐出して一層ずつ一筆書きのように描いていく。MakerBotのReplicatorもFDM方式だが、FORTUSはハイエンドだけに使える樹脂の種類が圧倒的に多い。ブースではFORTUSを使用して作られたもの例としてカスタムテスト備品の出力例を紹介。材料を曲げてはめ込んだり、ボルトを付けたりといった作業に十分耐えられる強度を持つ。こういった強度の必要なものはFDMが向いているという。

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FDM方式のFORTUSで出力された例。左奥にあるのがバルブの冶具。FORTUSは試作だけでなくもう一歩進んだ用途で使われることが多い。製品を新たに出す場合、それぞれに対応した冶具も同時に必要だ。最終製品ではないが、その手前まで使われている事例だ

 ロボティクス・エンジニアの松村礼央氏によるロボットのボディや機構部品にも同社の3Dプリンタが使われている。強度が高いため機構部品にも使える。また半分透明にして中が見えるようにするといったことも可能だ。

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ロボットのボディや機構部品も出力できる

 このように、同社のFDM方式とインクジェット方式では多少用途が分かれるようだ。高精細や透明を含むカラーの出力をしたい場合はインクジェット方式が適している。カラーの確認や複数の材料を使いたい場合も同様だ。強度が必要なものはFDMが適している。また制作時間短縮の上ではインクジェット方式にメリットがある。インクジェット方式ではワークサイズ内であれば、バージョン違いなどを並べて一気に造形できるからだ。一方FDM方式は一筆書き方式で1つずつ描いていくため一気に作るメリットはない。

 ブースでは3Dプリンタの他に、子会社のRedEyeによるデジタル・マニュファクチャリング・サービスを紹介していた。個別の顧客に対して3Dプリンタで出力し、要望に応じた状態にまで仕上げて渡すという。例えば自動車のバンパーであれば、塗装などの表面仕上げまでを行う。一品ものにもかかわらず金型を起こさなければならなかった製品を出力するといった使い方がある。

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自動車のバンパーをFDM方式で出力して仕上げまでを行ったもの
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ストラタシスのアジア太平洋地域&日本担当ゼネラルマネージャーのジョナサン・ジャグロム氏。「日本では試作段階での使用率が高い。今後は冶具や最終製品といった、生産寄りでの利用を促進していきたい」(ジャグロム氏)
第25回 設計・製造ソリューション展特集

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