ニュース
ショット、マイクロ流体チップなどに用いるバイオ向けガラス基板の販売を強化:医療機器ニュース 材料/素材
SCHOTT(ショット)は、成長著しい医療や生命科学の分野向けに、特性や厚さの異なるさまざまなガラス基板を取りそろえている。独自のマイクロレーザー構造化技術を用いてガラス基板を加工し、直径30μmの構造物を作ることが可能だ。
ドイツの特殊ガラスメーカーSCHOTT(ショット)の日本法人であるショット日本は2014年4月21日、バイオテクノロジー向けのガラス基板のラインアップをそろえ、国内向けの販売を強化していく方針を明らかにした。
近年、医療診断、生命科学研究、ドラッグデリバリーや医薬品合成などの分野で、マイクロ流体チップが使われるようになっている。しかし、マイクロ流体チップは複雑化しているため、ポリマー製チップでは精度が足りず、シリコン製チップではコストが高過ぎるといった問題が生じているという。
そこでSCHOTTは、コスト面で優れるガラス製チップに注目。薄板ホウケイ酸ガラスのD263T eco、極薄ホウケイ酸ガラスのMEMPax、ホウケイ酸フロートガラスのBOROFLOATやTEMPAX Float(BOROFLOATの日本国内向けブランド)、ウルトラホワイトガラスのB270iなど、特性や厚さの異なるさまざまなガラス基板を取りそろえた。SCHOTT独自のマイクロレーザー構造化技術を用ることで、これらのガラス基板を加工して直径30μmの構造物を作ることができるとしている。
関連記事
- 微細加工技術を医療に生かす、アルプス電気のマイクロ流路
アルプス電気は「MEDTEC Japan 2014」で、マイクロ流路などを医療向けに提案した。微細加工が必要なもので、同社が電子部品で培ってきた金型微細加工技術を、医療分野にも応用したい考えだ。 - くるくる巻ける超薄板ガラス、ショットが幅640mm品をロール状で製造へ
ドイツの特殊ガラスメーカーであるショットは、厚さ100μm以下の超薄板ガラスの開発に注力している。2014年半ばには、幅640mmの超薄板ガラスをロール状で製造できる体制を整える予定だ。ロール状で量産できるようになれば、印刷エレクトロニクスなどの研究開発が進む可能性がある。 - 旭硝子が0.1mm厚の薄板ガラスを開発、次世代タッチパネルなどに向く
タッチパネルや次世代照明などでは、より薄いガラスに対する要望が高い。ガラスは透明性や電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐ガス性などで樹脂に勝るが、比重が大きく重くなりがちだ。強度を保ったまま薄型化ができれば、より幅広い機器に利用できる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.