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もっと自由なウェアラブル機器設計を、TDKの超小型Bluetooth対応モジュールMEDTEC Japan 2014

TDKは、「MEDTEC Japan 2014」において、4.6×5.6mmと小型のBluetooth Low Energy対応通信モジュールを使ったアクセサリータイプのウェアラブル機器や、振動で脈波をモニタリングする機器などを展示した。

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 TDKは医療機器設計/製造の総合展示会「MEDTEC Japan 2014」(2014年4月9〜11日)において、Bluetooth Low Energyに対応した通信モジュール「SESUB-PAN-T2541」を搭載したウェアラブル機器の提案や、圧電素子を用いて脈波をモニタリングする開発中のデバイスなどを展示した。

 SESUB-PAN-T2541は、TDKが2014年2月に発表した製品である。ICを内蔵した基板「SESUB(セサブ)」を利用したもので、4.6×5.6×1.0mmのサイズを実現している点が特長だ(関連記事)。電池とセンサーと組み合わせれば、「脈拍を計測してBluetooth Low Energyでスマートフォンにデータを送信する」といったウェアラブルなヘルスケア製品を簡単に実現できる。TDKはアイデアの1つとして、女性向けに、SESUB-PAN-T2541を使ったネックレスやブレスレット型のウェアラブル端末のモックアップを製作し、展示した。

左が「SESUB-PAN-T2541」。中央と右は、展示用に製作したネックレスとブレスレット型ウェアラブル端末のモックアップ(クリックで拡大)

 気圧センサー、加速度センサー、SESUB-PAN-T2541を組み合わせた、高齢者の“みまもり用ウェアラブル機器”なども提案する。「当社の気圧センサーは、高低差が1mくらい急に変わった時の気圧の変化を検知できる。姿勢を検知する加速度センサーとSESUB-PAN-T2541を搭載したアクセサリーのようなものを作れば、転倒した時にあらかじめ登録しておいた緊急連絡先にアラートが送信されるような、高齢者向けのみまもりシステムを実現できるのではないか」(TDK)。

“超小型化”でウェアラブル機器のデザイン性を上げる

 TDKは「ウェアラブル機器は、デザイン性がかなり重視される。デザインの自由度を高めるために、小型化への要望は特に強く、どれだけ部品を小さくできるのかが勝負になっている」と話す。

ヘルスケア/医療向け製品を続々開発中

 開発中の製品もいくつか展示した。ヘルスケア向けには、振動センサー(圧電素子)を用いて脈波をモニタリングする腕時計型機器を開発している。手首に巻いて、脈を打つ時の振動を利用して脈波を計測し、モニタリングする。

 X線で撮影しても写真に写らないX線透過型のECG(心電図検査)電極も開発中だ。TDKが独自に開発した導電フィルムと粘着ゲルを組み合わせたもので、X線写真に写らないことと、ノイズの少ない安定した波形を得られることが特長となっている。X線透過型ECG電極は他社製品にもあるが、ノイズに弱いという課題があった。

 この他、シンチレータ結晶も展示した。シンチレータ結晶とは放射線を入射すると蛍光を発する物質のこと。ガン検査に欠かせない画像診断装置であるPET(陽電子放射断層撮影)装置に使われる物質で、強い発光と短い発光寿命が求められる。発光寿命が長いと残像が現れ、正確な診断を妨げるからだ。TDKが開発中の新しいシンチレータ結晶「La-GPS」は、一般的なシンチレータ結晶GSO(ケイ酸ガドリニウム)に比べて約5倍の発光量を達成したという。

左は振動センサーを使った脈波モニタリングのデモ。左手首の赤い腕時計型ウェアラブル機器に振動センサーが搭載されている。中央はX線透過型ECG電極。右は「La-GPS」の特性を計測したグラフである(クリックで拡大)

MEDTEC Japan 2014
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