計測・処理・通信を1パッケージで――東芝がウェアラブル端末向けプロセッサを製品化:プロセッサ
東芝は、ウェアラブル端末向けアプリケーションプロセッサ「TZ1001MBG」を製品化し、ApP Liteファミリに追加したことを発表した。
東芝は2014年3月28日、ウェアラブル端末向けアプリケーションプロセッサ「TZ1001MBG」を製品化し、ApP Lite(Application Processor Lite)シリーズに追加したことを発表した。活動量計やスマートウオッチの他、ブレスレット型およびメガネ型などの各種ウェアラブル端末への応用が期待されるという。サンプル出荷は同年5月より行われ、9月から量産出荷を開始する計画だ。
ApP Liteは、センサーで取得した生のデータや映像・音声情報などを、そのままクラウドへ送信するのではなく、信号処理や画像認識を施して転送に必要なデータのみを抽出し、データ転送の負荷を軽減するIoT(Internet of Things)向けの専用ICシリーズ。今回発表のTZ1001MBGは、各種ウェアラブル端末を対象とした「TZ1000」シリーズの製品ファミリに含まれる。この他、ApP Liteには、スマート家電やHEMS/BEMS向けの「TZ2000」、監視カメラやデジタルサイネージ向けの「TZ3000」、OTTチューナーやIPメディアボックス向けの「TZ5000」がシリーズとしてラインアップされている。
TZ1001MBGは、Bluetooth Low Energyのコントローラ機能とRF回路、加速度センサー、センサーから入力されたデータを処理するプロセッサ、およびデータを保存する8Mビットのフラッシュメモリを1パッケージに内蔵。計測、データ処理、通信といったウェアラブル端末の実現に必要な機能を1パッケージ化することで、実装面積の削減や機器の小型化に貢献する。また、独自の低電力設計を採用することで、長時間のバッテリー駆動を必要とするウェアラブル端末に最適化されている。
プロセッサは、DSPと浮動小数点演算ユニットを備える「ARM Cortex-M4F(48MHz)」を採用し、内蔵センサーや外部センサーから取り込んだ複数情報の統合的な処理が行える。インタフェースは、USB、SPI、I2C、UARTなどをサポート。高精度のADCを搭載しており、脈波や心電などを測定する外部センサーの情報を取り込んで処理できる。
品番 | TZ1001MBG |
---|---|
CPU | ARM Cortex-M4F(48MHz) |
通信 | Bluetooth Low Energy Controller |
センサー | 加速度センサー |
フラッシュメモリ | 8Mビット内蔵 |
I/O | USB、SPI、I2C、UART、12bit ADC、24bit ΔΣADC |
表1 「TZ1001MBG」の主な仕様 |
さらに同社では、角速度センサーと地磁気センサーを追加した「TZ1011MBG」の開発も進めており、TZ1000シリーズのラインアップ拡充を目指す方針だ。
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