東芝がヘルスケア社を新設へ:医療機器ニュース
東芝は、ヘルスケア事業の強化を狙い、東芝内のヘルスケア関連事業部門を統合した社内カンパニー「ヘルスケア社」を2014年7月1日付で新設すると発表した。社内カンパニー化により事業展開の加速拡大を図り、ヘルスケア事業で2016年3月期に売上高6000億円達成を目指す。
東芝は2014年3月27日、ヘルスケア事業の強化を狙い、東芝内のヘルスケア関連事業部門を統合した社内カンパニー「ヘルスケア社」を2014年7月1日付で新設すると発表した。
ヘルスケア社は、現在のヘルスケア事業開発部を主体に、電力システム社で手掛けている重粒子線がん治療システム、部品材料事業統括部で展開するDNA検査キットなど東芝グループ内に分散するヘルスケア事業を集結し発足する。CTシステムなどの画像診断システムをはじめ、新たな“診断/治療”、病気の発症リスクを低減する“予防”、病気やけがの治療後をサポートする“予後/介護”の分野向けのビジネスを展開していくという。
CTシステムなどの画像診断装置や医療ITなどを手掛ける子会社「東芝メディカルシステムズ」についてもヘルスケア社の傘下とし、「世界135カ国に納入実績がある(東芝メディカルシステムズの)顧客基盤、営業資産を活用し、メディカル・ヘルスケア事業を一体化させることで事業を強化する」(東芝)。
ヘルスケア社発足当初の従業員数は9000人規模としている。
エネルギー、ストレージと並ぶ事業の柱に
東芝は2014年3月期から「エネルギー」「ストレージ」とともに「ヘルスケア」を事業の柱と位置付けて、2016年3月期にヘルスケア事業売上高6000億円達成を目指して強化を実施している。
ヘルスケア社の設置について東芝は、「グローバルな人口増加や先進国での少子高齢化などを背景として成長が見込まれるヘルスケア市場において、事業展開の加速、拡大を図るため。グループ内にある広範囲な技術を融合させる“ニュー・コンセプト・イノベーション”によって、東芝ならではの製品、サービスを創出するとともに、多様な販売ルートの確立により事業の強化、拡大していく」としている。
関連記事
- 今後5年で売り上げ倍増を狙う――富士通の医療事業方針
富士通は、医療/ヘルスケア分野における事業方針についての説明会を開催し、今後5年間でビジネス規模を倍増させる目標を明らかにした。電子カルテシステム事業の強化やスパコン技術などを活用した新規ビジネスの創出を狙う。 - 遠隔医療をより身近に、シスコがソフトウェアプラットフォームを発表
シスコシステムズは、医療向けのネットワークシステムを実現するソフトウェア「Cisco HealthPresence」の新版を発表した。遠隔医療や地方医療に必要なシステムを、より容易に実現できるという。 - 半導体技術で“モバイル医療”の実現へ
心臓を専門とする医学研究者は、米国半導体工業会(SIA)のイベントで、心電図をリアルタイムでスマートフォンに表示できる機能などを見せ、半導体技術がもたらす医療の進歩の可能性について話した。医療/ヘルスケア分野が、半導体技術に寄せる期待は大きい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.