血圧や心電図を測れるスマホケース、まずはiPhone向けが登場:センシング技術
米国の新興企業が、スマートフォンケースにもなる、生体情報測定機器を発表した。動画を見る時のようにスマートフォンを横に持つだけで、血圧や体温の他、心電図まで測定することができる。
米国のAzoiは2014年3月5日、スマートフォンのケースとしても使える、生体情報(バイタルサイン)測定機器「Wello」の事前予約を開始した。専用アプリをダウンロードして使用するもので、搭載したセンサーにより、スマートフォンを持ちながら心拍や体温、血圧の他、血中の酸素濃度や心電図も測定することができる。
Welloの電源を入れ、動画を見る時のようにスマートフォンを横にして持つ。すると、数秒間でバイタルサインが測定される。測定結果は即座にスマートフォン上のアプリに送信され、ディスプレイに表示される。データは保存されるので、任意の期間におけるバイタルサインの変動を確認することも可能だ。また、データをシェアできるので、高齢者のみまもりといった用途も想定している。
Welloのアプリは、「iPhone 4S/5/5s」以降の他、Android 4.3以降でBluetoothを搭載したスマートフォンでダウンロードできるが、スマートフォンのケースとしても使えるのは、今のところはiPhoneのみとなっている。
販売価格は199米ドル(限定価格)。現時点での出荷先は、米国、カナダ、英国、欧州、インド、シンガポール、中国である。米国では2014年秋に出荷を開始し、それ以外の国へは同年夏に出荷を開始する予定としている。
さらに、オプションの機能として肺活量を測定する機能もリリースするという。
Azoiは米国に本拠地を持つ新興企業で、2011年に設立された。約2年をかけて開発したWelloが同社の最初の製品となる。
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