フルカラー樹脂、マルチマテリアル、小型SLAの3Dプリンタ、日本初披露――3D Systems:3Dプリンタニュース
米3D Systems新製品、フルカラープラスチック3Dプリンタ「ProJet 4500」、マルチマテリアル3Dプリンタ「ProJet 5500X」、マイクロSLA 3Dプリンタ「ProJet 1200」の3機種が、日本国内で初披露された。
スリーディー・システムズ・ジャパンは2014年3月6日、米3D Systems新製品に関する日本市場向け記者説明会を開催した。2013年12月にドイツのフランクフルトメッセで開催された展示会 Euromold(ユーロモールド)で発表したフルカラープラスチック3Dプリンタ「ProJet 4500」、マルチマテリアル3Dプリンタ「ProJet 5500X」、マイクロSLA 3Dプリンタ「ProJet 1200」の3機種を日本国内で初披露した。3製品は既に販売開始されており、出荷開始は2014年4月1日となる予定だ。
フルカラープラスチック3Dプリンタ「ProJet 4500」
「ProJet 4500」は、樹脂(VisJet C4 Spectrum)の粉末を積層していくタイプのフルカラー3Dプリンタ。じん性が強く、硬度の高いモデルが出力可能だという。国内販売価格は900万円台ということだ。
従来のフルカラー3Dプリンタは石膏(せっこう)の粉末を造形するタイプだった。今回、2012年に買収したZ Corporationが開発したフルカラープリンティングの技術と、3D Systemsの樹脂造形技術の融合が具体的に実現した形だ。本体寸法は162×80×152cm、本体重量は272kg。
その他、主なスペックは下記の通りだ。
- 造形範囲:203×254×203mm
- 解像度:600×600 dpi
- 表現可能な造形精度:0.1mm
- レイヤー厚:0.1mm
- 垂直造形スピード:1時間当たり8mm
マルチマテリアル3Dプリンタ「ProJet 5500X」
「ProJet 5500X」は、ゴム状のものも含めたさまざまな硬度の材料を複合させた造形が可能なマルチマテリアル3Dプリンタ。価格は3000万円台。1パーツで数百種類の材料の組み合わせが可能だ。樹脂色は硬質材が黒と透明、ゴムライク材が黒。本体寸法は170×90×165cm、本体重量は934kg。造形範囲は533×381×300mm、解像度は(HD)375×375×790 dpi、(HD)750×750×890 dpi。
マイクロSLA 3Dプリンタ「ProJet 1200」
「ProJet 1200」は小型パーツに特化したマイクロSLA 3Dプリンタ。小型ながら高精度なパーツが造形可能だという。価格は60万円台。本体寸法は200×200×300mm。造形範囲は43×27×180mm。積層厚は30μm。垂直造形スピードは1時間当たり14mm。樹脂色は濃グリーン。材料費は1つの指輪で100円強だという。
ユーザーのターゲットは歯科医療分野、アクセサリー業界などだという。
気になるあの製品は?
2014年1月にアメリカラスベガスで開催されたCESにて発表された、3D Systemsのフードプリンタ「ChefJet Pro」は、砂糖をフルカラーで印刷できる製品。こちらは2014年秋ごろのリリース予定だという。
イグアスとSOLIZE Productsの業務提携
2014年3月6日には、ITベンダーのイグアス、プロトタイプ事業など行うSOLIZE Productsとの業務提携を発表。イグアスの販売力とSOLIZE Productの造形に関する専門技術を融合させ、3D Systems製品のセールスチャネル拡大を狙うという。
イグアスは2013年7月から家電量販店のヤマダ電機と販売事業で業務提携を開始。現在も、3D Systemsのパーソナル3Dプリンタをヤマダ電機の店舗内で販売中だ。同社代表取締役社長の矢花達也氏は「結構、売れている。顧客は、下は中学生から上は70代くらいの高齢者まで幅広い」と述べていた。
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