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もはや自動運転レベル!? 進化を続けるクルーズコントロールシステムいまさら聞けない 電装部品入門(12)(1/4 ページ)

高速道路などで一定車速で巡航走行するのに用いるクルーズコントロールシステム。渋滞が多い日本の道路では「いまいち使えない」という評価も多かったが、車間距離維持システムや車線維持システムと融合することで、ほぼ自動運転と言えるような機能を持つようになっている。

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いまさら聞けない 電装部品入門

 ひと昔前までは高級車の装備の代名詞的な存在だったクルーズコントロール(オートクルーズ)システムですが、今では軽自動車にも採用が広がっています。

 一度でもクルーズコントロールシステムを使ったことがある方は、どういったものかはイメージできると思います。今回は、そうでない方のためにも、初歩的な部分から説明していきたいと思います。

クルーズコントロールシステムとは

 クルーズコントロールシステムは、ドライバーが事前にセットした速度を維持しながら自動で巡航してくれる機能のことを言います。

 クルーズコントロールシステムの目的はドライバーの疲労軽減が主となります。とはいえ、自動巡航中はドライバーが実際に運転する場合と比べてアクセルペダルの操作回数も減りますので、結果的に燃費向上に結び付くことにもなります。

 今は電子制御技術の進歩に伴って複数のECU(電子制御ユニット)が相互通信できるようになりました。このため、アクセル操作に加えて、レーダーを用いた車間距離保持機能や車線維持機構などさまざまな技術も組み合わされるようになっています。

 元をたどれば、ドライブバイワイヤ(DBW)システムを使用せずに機械的な構造で速度を維持させていたのですが、これらの詳細については後ほど詳しく紹介します。

基本操作

 クルーズコントロールシステムの使い方は自動車メーカーごとに決まっていますが、基本的にはステアリング(ハンドル)に設置されたスイッチで、「電源」、「速度設定(セット)」、「減速」、「加速」、「クルーズキャンセル」の操作を行います*1)

*1)車種によって各ボタン名称や操作方法が異なりますので、私が知っている操作方法を代表例として紹介します。具体的な操作方法は各車種で用意されている取扱説明書を参照願います。

ステアリング部に設置されているクルーズコントロールシステムのスイッチ
ステアリング部に設置されているクルーズコントロールシステムのスイッチ

 まずはクルーズコントロールシステムを起動します。

 これはメインスイッチ(上の写真で「CRUISE」)と呼ばれるスイッチを押すだけでよいのですが、エンジンを停止させるたびにシステムが停止する場合もあります。例えば、高速道路のサービスエリアで休憩するために車両を駐車した場合、再出発する際には改めてメインスイッチを押さなければならない場合もあるということです。

クルーズコントロールシステムが起動するとメーター部の作動灯が表示される
クルーズコントロールシステムが起動するとメーター部の作動灯が表示される

 次に速度設定を行います(クルーズ開始)。

 セットしたい車速まで、ドライバーが加速もしくは減速を行い、その速度に到達した時点でセットスイッチ(クルーズコントロールシステムのスイッチの写真では「SET」)を押せば自動巡航を始めます。

メーター内に表示されるクルーズコントロールシステムの設定車速
メーター内に表示されるクルーズコントロールシステムの設定車速

 少しハイグレードなシステムが搭載されている場合は、自らの加減速で車速を合わせなくても、スピードメーター内に表示される車速設定画面で具体的な数値をセットするだけで巡航を開始します*2)

*2)日本国内のクルーズコントロールシステムは、セットできる車速の範囲(時速40〜100kmなど)が各車両で決まっています。

 次に巡航速度の加減速ですが、加速の場合は「RES(+)」ボタン、減速は「SET(−)」ボタンを長押ししている間、操作に従った加減速が行われます。ハイグレードシステムの場合であれば、メーター内に表示されている速度に合わせて巡航速度も変更されます。

 最後に自動巡航を停止したい時の操作ですが、複数の方法が設定されています。

 まずステアリングのスイッチ操作による停止方法は、メインスイッチをオフにするか「CANCEL」スイッチを押します。

 その他には、ブレーキペダル(クラッチペダルを含む)を踏み込んだ時にもクルーズコントロールシステムは停止します。

 ちなみにアクセルペダルを踏み込むと、踏み込んだ分だけ加速します。アクセルペダルから足を離した後の制御は各車両によって異なりますが、一般的にはクルーズコントロールシステムで設定していた車速まで走行抵抗によって減速された時点から、あらためて巡航走行を行います。

 具体的な走行パターンを例に挙げましょう。時速100kmに車速をセットして巡航中に、急に車両前方へ時速80kmで走行中の車両が割り込んできたと仮定します。

 そのままの速度で巡航していると追突の危険がありますので、ドライバーはブレーキペダルを踏み込んで減速するでしょう。ブレーキペダルを踏んだ時点で自動巡航は停止されます。

 そしてブレーキ操作によって時速80kmまで減速した状態から、前方に割り込んできた車両がいなくなり、あらためて時速100kmで巡航できる状態になったとします。

 この時、先程までセットされていた時速100kmまで、もう一度自らアクセルペダルを踏み込んで加速をし、任意の速度に達した時点で車速セットを行わなければならないとすると非常に面倒ですね。

 道路上では先述したような「意図せぬブレーキ操作」が必要になる事態は非常に多く発生します。このため、一般的な利便性を考慮して、もともとセットされていた車速を車両が記憶しています。

 この記憶している車速を呼び出すための操作は各車両によって異なりますが、「SET(−)」ボタンではなく「RES(+)」ボタンを押すことで復帰させられるのが一般的です。

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