日本のモノづくりが息づく台湾企業(後編):大学教員は見た! ニッポンの中小企業事情(7)(1/2 ページ)
遠方からの来客に明るく優しく接する。台湾企業のおもてなしの心から、経営の形も垣間見えそう。
企業は人々が1日の大半を過ごす場所です。そのため、企業経営にはその国の文化が色濃く反映されます。台湾企業も例外ではありません。筆者は台湾人の友人と話をする機会が多いのですが、日本よりも「人と人との距離が近い」「明るい」と思うことが度々あります。
このような台湾の「文化」を反映してか、台湾企業は日本とはまた違った形で、ホスピタリティにあふれ、遠来からの訪問客におもてなしをしています。今回は筆者が今までに取材した台湾企業の事例を紹介しながら、そこで経験したおもてなしとその背景にある文化を垣間見ていただき、台湾企業の姿の一端をのぞいていきたいと思います。
台中・モノづくり中小企業のおもてなし
台湾中部の台中は機械・金属系のモノづくり中小企業が多数立地していることから、台湾有数の工業集積地として知られています。この地で、筆者は台湾企業のホスピタリティあふれるおもてなしを経験します。台中の中小企業の1つ、Li Yi Automationは2005年に設立された機械設備や自動制御機器のOEM企業で、台湾有数の大企業の二次サプライヤーでもあります。同社を訪問した際に、目に飛び込んできたのが、壁に掲げられた手作りの筆者の名前と「歓迎」の文字でした。
台中のParksonという工作機械用のロータリーテーブル企業を訪問させて頂いた際も、同じように玄関に筆者の名前が掲げられていました。取材のためにお時間をいただいているのにも関わらず、お昼をごちそうになったり、貴重なお土産をいただいてしまう、なんてこともしばしばでした。台湾企業を訪問させていただくと、どの企業でもほぼ必ずといっていいほど、こうした暖かいおもてなしをいただきます。取材中・後に、恐縮すること多々でした。
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