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日産とタタコンサルが共同開発した静的解析ツール、横河ディジタルが国内販売へ:車載ソフトウェア
日産自動車とタタ コンサルタンシー サービシズ(タタコンサル)が共同開発した静的解析ツールを、タタコンサルが「TCS ECA」として一般販売する。国内販売は横河ディジタルコンピュータが行う。
日産自動車は2014年1月21日、タタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)と共同で開発した大規模ソースコード解析技術のうち、日産自動車が持つ特許とノウハウに関するライセンスをTCSに供与すると発表した。
この大規模ソースコード解析技術とは、ソフトウェアの開発初期段階において、ソースコードを解析しバグを発見する静的解析ツールのことである。数百万行におよぶ大規模ソースコードを短時間で解析しバグを発見することが可能で、日産自動車は主にカーナビゲーションシステム(カーナビ)のソフトウェア開発に役立てていた。
今回のライセンス供与により、TCSは同技術を用いたソースコードの静的解析ツール「TCS Embedded Code Analyzer(ECA)」を、日産自動車以外の自動車関連企業に販売することが可能になる。TCS ECAを用いれば、車載ソフトウェアのコーディングガイドラインであるMISRA Cや、自動車向け機能安全規格であるISO 26262への準拠がより容易になるという。また、自動車関連企業以外に、地上デジタルテレビやエアコン、医療機器、産業用ロボットといった大規模ソースコードを用いる製品の開発にも適用できるという。なお、日本国内におけるTCS ECAの販売は、横河ディジタルコンピュータが行う。
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