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システム開発会社からのメーカー転職。「メーカーで働きたい」だけではきっと落とされる製造業エンジニア、転職活動の心得(2/2 ページ)

「メーカーで働きたい」とシステム開発会社からの転職を希望する組み込みエンジニアはたくさんいらっしゃいます。そんなシステム開発会社からのメーカーへの転職で問題になるのは、実は「上流工程の経験」といった経験・スキルの応募要件ではなく、まったく別の要因なのです。

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簡単に入社できそうだけど

 以上のとおり採用ニーズは高く、応募要件のハードルも低下傾向にあるとなれば、「簡単に入社できるのでは」と思う方も多いかもしれません。

 しかし皆さんの周囲に、メーカーへ転職された方がそんなにたくさんいらっしゃるでしょうか。売り手市場の状況にもかかわらず、なぜかそれほど見掛けたことがないのではないでしょうか。実はそこに、メーカーへの転職のポイントが潜んでいるのです。

 メーカーへの転職のポイント、それは意外なことに、面接にあります。前述のように、上記の応募要件を満たすこと自体は、そんなに難しくありません。

 組み込みエンジニアに限らず、メーカーの面接の特徴として挙げられるのは、面接回数の多さではないでしょうか。現在、一般的な企業が面接2〜3回に対して、メーカーでは面接を3回程度行うのが標準であり、4〜5回実施することも全然珍しくありません。なぜこんなに面接回数が多いかというと、会社の方向性を大事にしているからです。

 各メーカーには独自の文化があり、志向もあります。それは有名なメーカーの創業者の方々の哲学をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。つまり、そうした創業の哲学を育み、成長してきたメーカーは、その部分で会社と社員の間にずれが発生しないか慎重に確認しているのです。

 だから面接で重要なことは、すべての面接官が納得できる、共感できる受け答えをする必要があるということです。つまり整合性の取れた転職理由、誰もが納得できる志望理由、なおかつそれが会社の方向性と同じである必要があるのです。

メーカーへの入社を第一の優先と考えるのは危険

 転職希望者の中には、メーカーに転職することを第一に考え、そこから転職理由や志望理由を作ろうと考える方がいらっしゃるかもしれません。しかし正直いってそれはお勧めできません。

 それは、転職理由や志望理由は作るものではないからです。つまり作るといってしまうと、自分の意思や志向を無視し、入るための作戦となってしまいます。そうなると、運良くメーカーに転職できたとしても、転職先の社風や業務の進め方が合わなかったりして、不満を持つ可能性が高くなってしまいます。

 そんな状況で、例えば上流工程から組み込み開発に携わったとしても満足感が得られるでしょうか。それよりも、自分の志向に合った場所で仕事をする方が最終的な満足感は高くなるはずです。

 結論として、メーカーに転職して実現できる仕事もありますが、それ以上に自分の意思や志向を大切にすることが、エンジニアとしてキャリアを磨くポイントではないでしょうか。

 もし、メーカーに真剣に転職をしようと考えた場合には、自分の志向や意思にあったメーカーがあるのかしっかりと探すことが重要です。

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