ジオングが! マリオが! ミクさんが! さまざまで楽しいモノづくりの形:Maker Faire Tokyo 2013レポート(3/4 ページ)
テクノロジーを自由な発想で楽しむメイカーズの祭典が、日本科学未来館で開かれた。チームラボの高須氏が、会場で気になった展示を紹介!
プロジェクタ1台でミクのバーチャルステージを再現
「ののののの」さんが展示していたのは、プロジェクタ1台で、ボーカロイド 初音ミクのバーチャルライブステージを再現するシステムだ。通常であれば、大規模なステージセットや何台ものプロジェクタ、高価な透過型スクリーンを必要とする。のののののさんはステージを段ボールで製作し、網戸を使用した「アミッドスクリーン」を使うことで、数百円レベルで作ることを可能にした。
さらに、通常なら床面、背景、ミクさんなど、それぞれ別々のプロジェクタを用意して投影することになる映像を、1台のプロジェクタから投影できるシステムを開発。
背景とステージは角度が異なるため、映像を加工して形を合わせる、プロジェクションマッピングを行う必要がある。のののののさんは、iPadで簡単にマッピングができるアプリも開発している。
レゴと連動したスーパーマリオ
「hecomi」さんと「jonki」さんが「凸P」(Mont.Blanc.PJ)として展示していたのが「スーパーマリオブラザーズ」のプロジェクションマッピングだ。
凸Pでは、レゴブロック上にスーパーマリオのゲーム画面を投影し、実物のレゴブロックとゲームに出てくるブロックを連動させている。レゴブロックを動かせば、ゲーム内のブロックも動く。新しいレゴブロックを壁面に足せば、ゲーム画面にも新しいブロックが足され、当たり判定が発生する。
上から落ちてくる「ドッスン」や、ステージ右端のベルトコンベアなどはモーターで動いており、実際にブロックが落ちてくる。動きの部分はモーターをArduinoで制御し、ゲーム部分はゲーム開発エンジン「Unity」で作っているとのこと。
「レゴの新しい使い方が見える」クオリティ高い展示に、子どもたちの関心が集まっていた。
東京動脈
栗山貴嗣さんが展示していた「東京動脈」は、東京の路線図をかたどって作成した精密なアートだ。「丸ノ内線が一瞬地上に出る」「六本木の大江戸線が一番深い」など、東京都内の路線の高低差を75倍に拡大して再現した、要は路線のジオラマである。
ジオラマの中を、山手線は緑、丸ノ内線は赤など、それぞれの路線に色付けされた液体が流れている。「初めて東京の地下鉄に乗った時、地下鉄の丸ノ内線が地上を走るなど、路線の高低差が印象に残った」と語る栗山貴嗣さんは、次も東京を題材にした作品を構想中とのことだ。
軌跡が光る文字になるインスタレーション
衣斐秀聽さんが出展していたインスタレーション(3次元アート)も注目を集めていた。かかとにローラーの付いた靴「HEELYS」の後部に、Arduino Fioで制御する紫外線LED付きデバイスが装着されている。蓄光シートの上を走ると、その軌跡に文字が現れて、まるで映画『トロン』のようだ。
「ArduinoとAS3と3Dプリンタで作りました。Maker Faire Tokyo 2013」という文字が表示されていた。軌跡に出す文字はスマホやPCから制御することができる。
デバイスは手に持って動かしたり、ラジコンカーに取り付けることなども可能な大きさ。実際にラジコンを走らせていたブースは、子どもたちにも大人気だった。
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