暗い夜道でも安心な「歩くと光る!? キラキラLEDバッグ」を作ろう!:アイデア・ハック!! Arduinoで遊ぼう(6)(1/3 ページ)
頭の中のアイデアを「Arduino(アルドゥイーノ)」で実現!! 筆者と一緒にモノづくりの喜びや難しさを体験・体感してみよう。今回は、電子工作と手芸のコラボレーション作品として、クリスマスプレゼントにぴったりな“キラキラLEDバッグ”にチャレンジ! 手芸用のArduino基板「LilyPad」を使い、導電糸でLEDを配線するぞ。
「男性だけでなく、女性にも電子工作の魅力を伝えたい!」「お母さんと子ども、親子で楽しめる電子工作について取り上げたい」――筆者はこのように思っています。現状、電子工作を楽しんでいる方の多くが男性であり、エンジニアとして活躍されている方の多くも男性です。筆者としては、男性だけでなく、女性やその子どもにも電子工作の魅力を知ってもらい、将来、エンジニアを目指す人たちが増えることを願っています。
ということで、今回は冬休みの自由研究、子どもへのクリスマスプレゼントに最適なテーマとして、「“電子工作”と“手芸”」のコラボレーション作品に挑戦します! この機会に、家族でモノづくりを楽しむ時間を共有してみてはいかがでしょうか。
「えっ? 電子工作で手芸!?」と思った方もいることでしょう。ご安心ください! 「Arduino」には、いろいろなタイプの基板がラインアップされているのです。その中に、何と布に縫い付けることを前提にした「LilyPad Arduino」(以下、LilyPad)と呼ばれるものがあります。このLilyPadと導電糸(電気を通す糸)があれば、バッグや帽子などにガジェットを組み込むことができます。
手芸用Arduinoで「歩くと光る!? キラキラLEDバッグ」を作ろう!
今回は、暗い夜道でも安心なピカピカ光る「キラキラLEDバッグ」を作ります。じゃん!(画像1)
バッグが揺れると圧電ブザーに鈴がぶつかり、その振動で発生した電気の大きさを読み取って、LEDを光らせます。「チリン、チリン」という鈴の音と、LEDの光がシンクロするかわいいバッグを目指しました(動画1)。
ブレットボードで実験回路を作り、動作を確認しよう!
それでは、今回使用する部品を示します(画像2、表1)。今回は、ブレッドボードで基本動作の確認をした後、実際にLilyPadへ回路を移植します。
表1 「キラキラLEDバッグ」の制作で使用する部品リスト。価格は共立エレショップで購入した際のデータ(購入時期:2013年11月)。電源モジュールのみスイッチサイエンスで購入した。青色の枠内は、以降の連載でも使用する
LilyPadの形状に注目してください(画像3)。周囲にぐるりと花びらのように広がっている穴が、部品を接続するピンとなっています。ピンといってもLilyPadの場合は、導電糸で部品を配線していきます。そのため、ピンの穴も若干大きめになっています。
導電糸は、通常の導線と比較すると抵抗値が大きいです。筆者が購入したものは、資料によると1フィートで82Ωでした。今回は、導電糸の抵抗値を考慮していませんが、作品によっては無視できない値になります。頭の片隅に記憶しておいてください。
LilyPad用LEDモジュールは、縫い付けやすい形状で抵抗も搭載されているので容易に扱えます。電源モジュールは、単4電池1本から5Vの電圧を出力してくれます。この電源モジュールはオン/オフスイッチも付いていてとても便利です。
画像3 「LilyPad Arduino 328」。サイズは、外形50mm、厚さ0.8mm(プリント基板部分)。動作電圧は2.7〜5.5V。他にピン数が少ないタイプやMP3ファイルを扱えるタイプなどもある
自動点滅フルカラーLEDは、内部にICが組み込まれており電気を流すだけで次々と色を変えてくれる優れモノです。今回は、点滅スピードが速いものと遅いものを1つずつ使いました。
いったんブレッドボード上で回路を作成し、基本動作を確認します。ここでは圧電ブザーに鈴をぶつけて、そのタイミングでLEDを1つだけ光らせるテストをしておきます。回路図と部品配置図を以下に示します(画像4、画像5、画像6)。
今回の回路では、圧電ブザーをセンサーとして使いました。圧電ブザーに振動を与えると、交流電圧が発生します。このときの電圧値を読み取り、閾値を超えていたらLEDを点灯させます。
回路作成時に、圧電ブザーを直接マイコンに接続してはいけません。なぜなら、マイナス電圧や電源電圧より大きなプラス電圧をマイコンに掛けると、故障する可能性があるからです。
こうした事態を回避するには、保護回路が必要です。具体的には、ショットキーバリアダイオードを2つ使用し、交点Aの電圧がVCCより高ければ「D1」へ、GNDよりも低くなれば「D2」へ電流を流します。これにより、画像4の交点Aの電圧はVCC−GND間となるためマイコンの破損を防ぐことができます。
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