国産小型3Dプリンタ「BS01」、クラウドファンディングで購入受付開始。7万9800円から:3Dプリンタニュース
ボンサイラボとSラボが開発した個人向け小型3Dプリンタ「BS01」は、国産3Dプリンタとしては初めて、クラウドファンディングサービス経由で販売される。価格は7万9800円から。教育分野がメインターゲットだという。
3次元造形機の研究・開発支援など行うボンサイラボと工作機械メーカーのSラボは2013年12月5日、共同開発した個人向け小型3Dプリンタ「BS01」に関する記者発表会を開催した。同年12月6日0時より、クラウドファンディングサイト「kibidango(きびだんご)」で、BS01の購入受付を開始。受付終了は、12月26日24時。
BS01の販売価格は7万9800円から。クラウドファンディングの目標額である200万円に達した場合、支援者に対して1月末から出荷を開始する。国産の3Dプリンタがクラウドファンディングによって販売されるのは初めてだという。
BS01はオープンソースの熱溶解積層法の国産3Dプリンタである。造形材料はPLAおよびABSであり、PLAのみのモデルと、PLAおよびABS対応のモデルの2つがある。この製品は従来の個人向け3Dプリンタよりも小型・軽量で、10万円以下の低価格に抑えたことが特徴だ。
「BS01の大きなポイントは教育への普及」とボンサイラボ代表取締役の大迫幸一氏が言うように、教育分野をメインターゲットに設定しており、子どもでも持ち運べることや、教育関係者が購入しやすい価格設定を目指したという。
本体サイズは縦、横ともに250mm、高さ270mmで重量は約5kg。フレームはMDF合板製で、5色を展開する。日本の住環境に配慮し、使うときに机の上に運びやすいサイズを目指したという。造形サイズは幅150mm、奥行き130mm、高さ100mm。シングルヘッドで積層ピッチは0.1mm推奨である。2014年3月にオプションでデュアルヘッドに対応予定である。
また教育分野だけでなく、より使い込むユーザーにも対応できるとしている。標準のノズルは0.4mmで、オプションは0.2、0.3、0.4、0.5mmの4種類を用意する。またノズルは頻繁に交換できるよう、1000円と低価格に抑えている。サポートについてはユーザーコミュニティーを用意し、最新の技術情報やトレンドを共有していく。
詳細のスペックについては、各軸の理論分解能はz軸が0.3μm、x軸、y軸は14μm。造形スピードは造形時が秒速100mm、空送り時が秒速200mmである。対応OSはWindows 7以上およびMac OS X。推奨の対応ソフトウェアはRepetier Host、Slic3rである。
PLAモデルは限定20台の早割(組み立て版)が7万9800円、自分で組み立てるキットが8万9800円、完成版が9万9800円となっている。また、完成版に、修理の際の「代替機貸し出しサービス(1年間)」を付けたモデルは12万9800円となっている。
ヒートベッド付のABS/PLAモデルはキットが9万4800円、完成版が10万9800円、貸し出しサービス付は13万9800円。フィラメントは1.75mmでPLA、ABSそれぞれ10色をそろえており各4130円。夜光色フィラメントは各4630円。今後もトレンドカラーを追加していく予定だという。ノズルおよびフィラメントは目標金額達成後に、kibidangoのサイトのショッピング機能から購入できる。
大迫氏よれば「普及のためには低価格設定が重要。2014年以降は10万円以下が主流になるだろう」という。そして「プリンタだけではなく、モデリングやスキャンなどもそろって初めて普及する。ソフトウェアの買収や開発が盛んなので、さらに3Dプリンタは普及するだろう」と見る。
きびだんご 代表取締役の松崎良太氏によると「オープンソースの3Dプリンタとクラウドファンディングの親和性はよく、海外では米クラウドファンディングサイトのKickstarterなどを通して資金を集めることは珍しくない。だが日本では3Dプリンタをクラウドファンディングで販売するのは初」だという。
Sラボは3Dプリンタ開発の他にもCNC工作機や樹脂加工機の製造、販売などを行っている。ボンサイラボは個人向け3Dプリンタの市場調査、コンサルティングなどを行っている。BS01のBはボンサイラボ、SはSラボの名から付けたという。今後もkibidangoを通じて同シリーズの3Dプリンタを販売していく計画もあるという。
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