再配線工程のポリイミド塗布をインクジェット化、石井表記とテラプローブが開発:実装ニュース
石井表記とテラプローブは、半導体のウエハーレベルパッケージ(WLP)やバンプ形成における再配線工程向けに、厚膜絶縁塗布材料(ポリイミド)の塗布をインクジェット方式で行うインクジェットコーターを共同開発した。再配線工程の絶縁膜塗布にインクジェット技術を導入するのは「世界初」(両社)だという。
石井表記とテラプローブは2013年11月26日、半導体のウエハーレベルパッケージ(WLP)やバンプ形成における再配線工程向けに、厚膜絶縁塗布材料(ポリイミド)の塗布をインクジェット方式で行うインクジェットコーターを共同開発したと発表した。再配線工程の絶縁膜塗布にインクジェット技術を導入するのは「世界初」(両社)だという。
従来、再配線工程で絶縁膜材料を塗布する工程は、回転式のスピンコーターを使うのが主流だった。今回共同開発したインクジェットコーターは、スピンコーターで使用しているのと同じポリイミドを用いながら、対象ウエハーに超微小化した絶縁材料を直接吹き付けることにより、膜の厚さをフレキシブルに調整することができる。凹凸の大きな再配線表面にも均一な塗布が可能だ。さらに、スピンコーターでは不可欠な洗浄工程が不要になるので生産性も向上できる。
石井表記は、液晶パネル向けにインクジェット方式の配光膜塗布装置などを販売している。今回の再配線工程向けインクジェットコーターは、この技術を応用したものだ。一方、テラプローブは、主力のテストハウス事業に加えて、CSP(Chip Size Package)を中心とした半導体組み立て工程の生産受託事業に注力している。今回のインクジェットコーターを活用して、他社との差異化を図る方針である。
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