UMSクラスドライバを改造し、Androidを“CD-ROMドライブ”として認識させる!!:実践しながら学ぶ Android USBガジェットの仕組み(13)(3/3 ページ)
最終回となる今回は、AndroidのUSBマスストレージ(UMS)クラスドライバを改造し、ホストPCにUSB接続したAndroidを“CD-ROMドライブ”として認識させて、Android内のLinux(CDイメージ)にアクセスできるようにする!
4.デモ
以上の実装を加えて、動作確認をしてみましょう。今回使用した環境は、表8の通りです。
No. | 分類 | 環境 |
---|---|---|
1. | Androidバージョン | 2.1 |
2. | 動作環境 | UDK(USB Device driver development Kit) |
3. | ホストPC | Windows XP |
4. | CDイメージ | KNOPPIX(Ver.6.7.1) ※AndroidのSDカード内にISOファイルとして配置 |
表8 デモで使用した環境について |
それでは、CD-ROMドライブとして認識するまでの流れをお見せします。
(1)USB接続前
まずは、UDK(USB Device driver development Kit)上で、Windows XPを立ち上げ、マイコンピュータを参照してみます。デバイスとしては、デフォルトの「3.5インチFD」と「CDドライブ」がありますね。
(2)USB接続
次に、UDK上の[USB接続]ボタンをクリックします。
(3)CD-ROMドライブが出現
すると、Windows XPの画面上に、KNOPPIXのHTML画面がポップアップ表示されます。念のため、マイコンピュータの中をのぞいてみると、新しいCD-ROMドライブ(KNOPPIX)が現れています!!
(4)アクセス
さらに、CD-ROMドライブをダブルクリックすると、ドライブ内のファイルにもアクセスできます。どうやら、PCは、AndroidをCD-ROMドライブとしてうまく認識してくれたようです。これで、われわれの最終目的も無事達成されました!
5.おわり
今回をもちまして、本連載は最終回となります。連載当初の目的から多少横道にそれ、デバッグ技術や仮想化技術などを探索しましたが、Android USBガジェットのUSBマスストレージクラスに関して、その仕組みを一通り紹介してきました。本連載が読者の方の理解の手助けになることができれば幸いです。長期間ご愛読いただきありがとうございました! (連載完)
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